【 Moai in ny Story vol.9 】 見学

2015年7月後半、見学会を催す。
住宅事例を2つ程、見学する。お忙しい中、オーナー様には御協力頂き感謝しております。


実施に人の住まう住宅を見るのは稀な事、貴重な機会です。「住む」という現実を目の当たりにするのは実際、迫真に迫る。
私自身、遊びに行く事はあっても、こういう機会は改めてあれこれを聞かせて頂ける機会でもあり、とても有意義です。
「お久しぶりです!」とお邪魔させて頂ける事がとても嬉しい。


設計する者にとっては設計期間しか関われない建築ですが、実際に住まう光景こそが本命であり、無事であるのかどうか、
見せて頂く際に健やかな印象を受けるのであれば、設計冥利に尽きる。
設計の責任を果たせたのかを確認できるのは、実は仕事を終えた後、暫く後の事となる。




この日は合わせて家具店の見学も実施する。私の設計では恒例になりつつある。
特に椅子を座り比べる。身体を確認する機会、好みを知る上ではこれも欠かせない。
この日訪ねたのはしばしば使わせて頂くカンディハウス。
ここを使わせて頂く理由は、細部にまで心配りのある質良い製品があること。
1時間もあれこれ座り比べると、誰しもが気がつくはず。そして好みの一つはこれかな?
という所までわかるはず。その差は僅かであったり、仕様仕上げの違いであったりするのだけれど、
体で感じた経験は、その後に何かを選ぶ考える際の貴重な判断基準になるはずです。
惹かれるデザイン、心地、ご夫婦での好みが似ているのか違うのか、様々発見がある。


質良い家具を実際に確かめられる機会、今は札幌でも訪ねられる場所が少なくなってしまった。
心あるものに出会い、アフターやメンテも含め、末永く付き合える一品を探す機会を今後はどうしようか?悩ましい。




実際に見る、触れる、感じる機会は、とても重要な貴重な経験になるのだと思う。
空間の広さ、伸びやかさ、抜けの良さ、明るさ、大きさ、距離感、質感・・・
様々な事を実際に感じる体験は、今後の設計に生きてくる。

「私が何を言っているのか?わからない。」という事が少し解消されるはずだし。