本日の現場は。 【 DOMA / yamanote 】

      

現場に着いたのは4時過ぎ、まだ夕陽の残る空の明るい時刻だった。
この日は塀に使う木材の塗装が行われていた。クライアントのO氏
ご夫妻がご自身で塗られる!! 厳しい見積もり調整の際に提案
したのがセルフ塗装。つまり、自分で塗る。ウレタンなどの塗装は難し
いけれど木に塗るステイン系なら基本的に誰にでもできる。木塗装の
寿命は長くはなく数年後に塗り直すメンテナンスが欠かせない。その
意味でも経験しておくことには意味がある。手入を欠かさなければ
末永く使える塀のためにも。大変、お疲れ様です。


自分で手間を掛けることの出来る人、またそうではない人もある。
O氏ご夫妻は、とても楽しまれている様子であった。ヨカッタ。


大工さんとも親しくなっている様子、大工さんは素人が邪魔くさい!
という風ではなく面白がっているようにも見える。管理してくれている
I 氏も手厚く、なんだかとても優しい。基本的に建築現場は楽しい。
もちろん予算や工期、何より安全に厳しい現実もあるのだけれど、
”参加”できる機会があるなら貴重な体験になるに違いない。


更にO邸は内部の珪藻土塗壁も一部を施主塗装としている。誰で
も塗れるのだけれど、塗る人の個性が出て面白い。ただ慣れやそこ
そこのテクニックは要するし、何より仕上がりの表情が問われる。


自分はこれまで案外あれこれ塗っている。塗装はもちろん。珪藻土
他にも漆喰やコンパウンドなどにも挑戦したことがある。施工は10月
中頃の予定。これは参加させて頂く。楽しみなのだけれど緊張するな。


結局、家は住まう人が手入れが欠かせない。その作業は楽しむことも
出来る。自分で手を加えたとなれば愛着も感じるのだろうなと思う。
塀に使う材料は、そう多くはない。根詰めて必死にならなければなら
ない量ではなく、程良く楽しめたのではないかとも思う。秋空の気候も
丁度良く、本日は暗くなるまで励んでおられた。




現場ではI氏とあれこれ打合せをして過ごす。出来る人とはいっても造り
手である。意見の分かれることは少なくはない。各部の調整を済ませ
躯体工事に目処が立つ。


あんなに暑かったのに、日が暮れるのは早く夕方は寒さも感じる。けれど、
未だ蚊がいる。不思議な季節感の穏やかな日だった。