塗壁に映える全長14mの光の帯を眺める

地球は地軸が傾いている。故に冬至夏至の南中時、太陽高度は約47度の
角度差がある。夏の太陽は高く、冬の太陽は低い。同じ南面の窓でも、入る
陽射は大きく異なる。日射取得は夏は水平面、冬は南垂直面が大きい。


日の出と日没、その方位も季節によって大きく異なる。夏は東西より30度以上
北側から、逆に冬は30度以上南側から日は出て沈む。(札幌の場合。)
この一連の動きが一年を周期して変動している。


冬はサンサンと室内奥まで入り込んだ光も、夏は入らなくなるかもしれない。
朝日が入り込んでいた窓も、季節が変わると陽射しはなくなるかもしれない。




コートハウスであるDOMA/yamanoteはコートに向けて大きな開口がある。その
他、足りない光を補う窓が各所に設けられている。様々な方位、高さに切った窓
からの光、実は特に変化が大きい。


yamanoteのクライアントとは、その楽しみの感覚は一致している。竣工してしまうと、
住まうクライアントは存分に楽しむことが出来るのだけれど、設計者は案外、その
楽しみとは無縁なのが残念だ。メールなんかで伝え聞き、羨ましいなと思う。


昨年11月に引き渡しているので、冬至を挟み陽は折り返した。この先夏至までは
まだ見ぬ初めて光を経験することになるだろう。


朝日が室内奥深くまで入り込んでいた窓は、やがて陽は入らなくなるのだろう。
ドマを長手方向に照らしていた玄関上の窓の窓も光は入らなくなるのかな。
書斎上の北窓や浴室など、今まで直接日射の無かった窓から光が差込んだり
すると、これまでになかった新たな表情と出会えることだろう。



陽はまだ十分に低い。玄関上の窓からは、三角山を霞め14m弱の建物全長を貫く
ように日射の差し込むシーンが、今、見られるらしい。写真が届く。ん〜凄い。


「塗壁に映える全長14mの強烈な光の帯!」をリビングで眺めるなんて、
さぞ壮観なんだろうな。