Bookshelfはこの秋に8年を迎えます。

お盆休みのある夜、BBQをするので如何ですか?
と連絡があり、訪ねて来たのはこの秋に8年を
迎える『Bookshelf』、札幌近郊の2世帯住宅。


思いの他盛大な催しとなっていて、楽しく
過ごさせて頂きました。若者もたくさん居て、
肝試しをしてしまうほど、はしゃいでしまった。


先日の近代美術館で見た中谷宇吉郎さん、雪の
結晶の研究者の書物の整理等をされている
ご友人もあり、面白い話を聞く事もできました。


雪の結晶を取り上げるには、マッチや割り箸を
割ったときの鋭利な部分が丁度良いのだとか。
これはこの冬に早速試してみたい。


この夜は火遊びに暮れる。ガスランタンに灯る庭、
燃える炎の暖かさの感じられる寒暖は心地よく、
いつもながら、あっという間に夜深まっていた。


失礼してリビングダイニングの照明を一枚。
ここはルイスポールセンを4灯灯している。


屋根垂木が伸びて造る深い軒が、室内の明りに
照らされて輝く様は、今見ても好きな光景。






『Bookshelf』は大きな住宅でもある。
庭と連続し、庭も心地よく在る工夫がある。
以前に書いたスケール感覚の術を実践している。


大きな建築物は、ともすると威圧的で、庭からは
そびえる壁となり、居心地の良さを奪ってしまう。


ちなみに写真は一般的な2階建て木造住宅です。
十分に広い庭でも、人が建物に沿って立つと、
威圧されてしまうのではないでしょうか。


敷地の状態、建物と庭との関係、使われ方を考え、
設計する。こうして訪ね、庭での様を眺めると、
建物の外観、外壁のみならず、空間をデザイン
することの重要さを改めて実感する。


先日の善光寺の心地よさも当然ながら、見事な
スケール感覚に支えられていると考えられますし、
八窓庵の切れの良さしかり、設計は空間を
デザインすることが基本であると思います。


『Bookshelf』では勾配屋根とドマ空間を使い、
庭からは高さの抑えた佇まいとしています。
また外壁開口部分を集約することで建物を
分節し、大きさを感じさせない工夫をしつつ、
大屋根が一つの建物をおおらかに包むように
計画したものです。