特に印象に残る。

今年の初夏、会津を訪ねる機会があった。
そこで出会った建築は、これまで出会った
建築の中でも特に印象的なものだった。


それは『栄螺堂(さざえ堂)』、堂内を巡る
だけで巡礼が適う仏堂とのこと。その最たる
特徴が二重螺旋の構造、これがともかく凄い!


入口です。余韻もそこそこに、期待させることも
なくいきなり登り始める光景。


内部は通路のみ、螺旋に登ってゆく斜路構造。


掲載躊躇う写真は頂上、ただ折り返すだけの。

斜路は滑らぬよう細木が打ち付けられている。



300年程前に建築されたらしい。頂上で折り返す
二重螺旋、堂内では同じ場所を通らずに登り、
降りてくることが出来る。


思うに、これを考え付いた者が興奮のあまり、
本当に造ってしまった!のではないだろうか。
そのくらい勢いのある建築で、洗練さ優美さ、
そんな一般的な価値は蚊帳の外にあるようだ。


それが証拠に、訪ねた者はみな、出てくる時は
ジェットコースターにでも乗った後のように、
すべからく笑顔。顔を赤くする程興奮の笑顔。


ここまで純粋に空間を志向した建築は、そう
出会えるものではない。その意味で特別なもの。
出会えて、実に良かったと心から思う。