二世帯住宅

旧友から相談されたのは二世帯住宅だった。
家を建てる!という喜びが先立つのだろうな。
その調子は十分に伝わり、自分まで喜ばしい。


調子にのり、プランを見せて頂いた。
どこかで自分にスイッチが入ったらしく、
業として確認してしまった。


30年目には二人の生活になるだろうか、
使われない部屋が過半となり、
1階は玄関と暗い廊下、水廻りのみを使う。


確かに、今が大切。その時を喜びたい。
或いは、そこに価値があるのかもしれない。
としても、数十年後に寂しい光景になると
分かっていれば?とも考えたくなってしまう。


寒いし古くなってしまったので、という理由を
建前として建替えを考えられる方は少なくない。
気に入った家ならリフォームが最優先だろう。
現在の住宅であれば、外装、サッシ関係の
リフォームで、断熱付与までを考えられるし、
水廻りは寿命を迎えているかもしれないので、
これは正すとして、プランに柔軟性があれば、
改善を施し、長く住まえる事は可能だ。


自分は、自分の携わった建築の最後を見たくない。
幾世代かを経た後に、そこに住む、利用する方が、
クライアントの判断を尊重し、
施工者の技量に感謝し、
設計者の意図を知る機会こそ願いたい。


あ〜あ・・・とは言わせない。
そんな設計を志し!!