キッチン決まる。 【 DOMA / yamanote 】

O邸のキッチン、完成型のスケッチを起こしこれで「決まり!」と思っていたのだ
けれど、機能もデザインも決定まではまだまだ時間と労力を要することとなった。
「決める」とは何と難しい。デザインで最後に悩み抜いたのはひとつは・・・

   
[キッチン①]                  [キッチン②]


伸びやかで広がりあるリビングの一端に置かれるキッチン、そのヴォリュームは
大きいい。伸びやかさを妨げずにどうバランスするのか?大いに悩まされた。


当初は門型フレームのキッチンを考えていた。面で構成するヴォリュームを軽減
するデザイン、しかし高コストな造りであり却下、新たな模索をしていた。意図する
のはリビング空間の伸びやかさを妨げることのない”軽さ”のあるデザイン。


”白く浮かぶ箱”・・・このアイディアを試みる。珍しい手法ではないのだけれど、
適切にデザインすることは容易ではない。特にバランスとスケール感は絶妙だ。
フロアーからの高さを違え、割付パネルを4枚、5枚とする①、②の案を検討する。


キッチンは見栄張る部分ではなくリビングの伸びを妨げずにバランスされることを
最良とし、よりスケール感の小さな5枚割付を選定した。4枚のものは線が少なく
スッキリとするハズなのだけれど、大きさを主張するかもしれない。
次いで見せる消すの区別を計り色選定を行う。さらにこの高さ設定より作業面の
引出収納の高さを検討する。収納ユニットの寸法、納まりも同時に確認を済ませる。


キッチンはその他、作業面の収納扉、天板、キッチンパネル、レンジフードなどの
素材と色選定の作業を行う。それらのサンプルやカタログを並べると大きな机が
一つ埋まるほどの量となる。そんな悩ましい作業の末にようやく決定案に至る。



[キッチン決定案。リビングからの眺め]

[キッチン決定案。作業面]



そんな打合せをお盆休み前の夜に行った。その夜は床の色を試し塗りをしながら
サンプルを作り、柱や棚、板材などの木部の色も検討しつつ、使用各部の各種
タイルを提案し、塗壁サンプル作成のために色を幾つか選定し、用意された外壁
板金の見本を幾つか眺めつつ多くの様々な仕上に悩むこととなった。


標はついているのであとは微妙な差異をどこまで認識できるだろうか?
クライアントはこのお盆休みの間に大いに悩まされ、楽しまれるのことだろう。
結果を楽しみにして待つことにしようと思う。