TSURUI TOUR

Bookshelfのオーナー様からお誘い頂、鶴居村へと旅してきました。
親友が鶴居村でネイチャーガイドをしているので如何ですか、と。
故郷が道東である自分、遠く札幌で出会い、設計の機会となった
Bookshelf、そのオーナー様に誘われて道東へ旅し、故郷を改めて
ガイド頂くという不思議な出来事。前へ進んだのか戻ったのか。


久しぶりの夏の道東は澄み渡り綺麗で大きな空だった。
到着すると直ぐに長靴に履きかえ、SWROVSKIを貸し渡され、
小一時間の砂利道の峠を超えて山深い森の中で湖と出会う。
沼といった方が適当だろうか。ガイドはアシスタントを伴い
迅速に準備に取り掛かる。カヌーが湖面までの小さな崖を
下って降ろされ「乗って下さい。」と告げられる。


我に返って気が付き状況を把握すると、自分は湖上に居た。
一気に日常から、大地から切り離されて浮いている。
よく知った阿寒富士を(いつもとは)反対方向から望む。
片岡球子を観に行ったこともあり、改めて見てみたいなと
思っていたら、正に彼女の絵にあったような美しいシルエット
を望むことが出来た。

適度に雲があり、穏やかで心地よい風が吹く。場所によっては
波はなく鏡面のように空の青さが写りこむ。


探検が始まる。上陸するらしい。カヌーは対岸の岸に接岸しようと
している。


鬱蒼とした森は近づくと深く暗い。木々の隙間から陽が差す。
光と影の世界となってゆく。


人の手に依らない森の木が伸び行き、


多くの生命にあふれる水が地にぬかるむ。


奥地にはこんな不思議な光景が待ち受けていた。




森を散策した後に再びカヌーに乗り込むと風が止んでいた。
湖面は広く静止他した鏡のようだ。的確にカヌーを運ぶ
ガイドのなれたパドル裁きの作る波紋が綺麗に広がる。


対岸の森が間近に迫る。ここは浅瀬で水底までも眺めることが
できた。時折魚が飛び跳ねる。カヌーと競争するように大きな
トンボが行き交ってもいた。


中央の暗い森の中に立つまっすぐな気はヤチダモらしい。
夜半に雨が降るという天気予報の通り、空模様は怪しくなっている。
闇を携える自然の世界である森と暗い空、狭間に残る空の光。
ロマン派の絵画のようだった。
(・・・写真が上手ければ撮れたかもしれないなー。)


この木々の連なりの向こう、枯木のトップにミサゴが居た。
ガイドの的確な案内で容易にいくつもの鳥を観察することが
できた。中でも最後にしばらく眺めることのできた猛禽は
やはりカッコよかった。頂点にあるべき生き物が住まえる環境。
SWAROVSKIは実に良く見えて関心させられた。


なんて、ちょっと得した旅を経験できました。
Bookshelfオーナー様、
案内頂いたHickoryWind様ありがとうございました。