設計

秘密は本当に秘密・・・謎でしかない。

訪ねたのは随分昔の事なのだけれど印象的。 ノーベル賞の晩餐会が催される場所だったはずの、 ストックホルム市庁舎。本当に印象に強く残る。 設計はラグナール・エストベリ。 ガイドツアーでは変人扱いされ笑いを誘っていた。 学生時代、当時既に古いモダニ…

計画案

パースを製作した。 こういう断面パースは手間が掛かるのだけれど、 実際には見ることの出来ないシーンでもあり、 こうして見えて少し安心したりする。 施設建築、空間は落ち着きを得られそう。 長さ14.5m×幅5.4mの大空間を上下階に設け、 北側に居室を整…

断面をスケッチに起こす。 

学生時代、感性ではなく理論から設計に取り組む先輩が居た。我々の多くが感性で勝負する中で特別な人であった。 彼曰く、恩師の設計は断面が良い、と。その言葉が離れずに居て、かつ、理論から展開するデザインへの興味もあり、自分自身は感性に頼るタイプで…

思いつきメモ・・・回遊動線

動線・・・室内を人がどのように移動するのか?プランを考える際にはとても重要になる。 例えばマンションやアパートの場合、一本の廊下に数珠繋ぎに部屋が並ぶものが あるだろうか。想像し易いものと思う。 効率的な動線の事例となる。 けれど、効率的だけ…

間接照明だけで過ごせる家・・・M_house 

先夜に書いた記事、IKEAで思い出すのはこの住宅。 当時、特に親しくさせて頂いていた大工さんの家。 既にプランの決まっていた彼の住宅、それが輸入 住宅としてカナダから送られてくるというもの、 相談を受けて内装その他のデザインに携わる。 出来る事は限…

椅子、その2

左手間はバルセロナ・チェア、その奥にある、 椅子のようなソファのような、この椅子も好き。 コルビュジェとシャルロット・ペリアンの共作 シェーズ・ロング(LC4)、これもしばしば パースに登場させている。 不思議な形をした代物で、どう使って良いのか…

椅子、その1

自分のパースによく登場させる椅子がある。 ミースのバルセロナ・チェア(左にある椅子)。 初めて興味を抱いた椅子がこれだった。 知った時、既に半世紀以上を経ていて、 知ってから既に四半世紀を経ていて、 未だ古びず、この先もおそらく素敵な椅子。 大…

インテリア考。

北欧の建築家、アアルトの照明器具はとても素敵だ。 (アアルトの建築は以前にスケッチを載せてます。) 数ある器具の中で気に入っている一つ、しかし、 これまで用いる機会の無かったものが使えそう。 分譲マンションのエントランスのインテリア考。 根詰め…

光、大きさ、質感・・・その6

床に座って心地良い空間、実現するのは実は難しい。 和室の様な重心の低い空間が本来は望ましいと思う。 和室を洋間風に設えてしまい、一見デザインは良く 見えるのに、穴の底に座っているような居心地の 悪さを感じる事が、実は少なくないように思う。 座し…

光、大きさ、質感・・・その5

距離感、奥行き感も空間には欠かせない。 33坪に満たないこの住宅、その全長は18.9mもある。 玄関に立つと、ドマを通じてその全長を見通せる。 実際にとても長く遠く、奥に何があるのか目には 入らない。既に違う空間にすら思える奥行きがある。 ・・・犬達は…

光、大きさ、質感・・・その4

[ 以前に書いたこの記事はスケール感の事。大きさへの感覚というのは、とても不思議なもの。 ものには、まるで『適切な大きさ』が在るかのよう。 これは多分に、人間の身体に関わるものと思う。 椅子やテーブルの高さのような実際に触れるものは もちろん、…

光、大きさ、質感・・・その3

光や大きさ(スケール感)、質感(テクスチャー)、 肝心な事にこれらは写真には写らない。 また、読んで理解できることでもない。 自分の目で見て、体で感じる意外の術がない。 古今東西、建築(空間)は、実際に見に行き、 リアルな経験を得ずして学べない。 …

光、大きさ、質感・・・その2 

『光』・・・私は特に好きだ。 これに気付いたので設計を志したのだと思う。 例えば南側の光、これはやはり、気持が良い。 写真は『bookshelf』の現場風景、特に印象に 残るシーン。足場が取れ、遮るものなく初めて 室内に光が差し込んだ時の、本当に嬉しい…

光、大きさ、質感・・・その1 

光、大きさ(スケール感)、質感(テクスチャー) 建築においける最も重要な3つの要素、 設計はこのバランスを計るものと思う。 実はこの3要素に良し悪しの指標がない。 数値化出来ず、客観的な評価が出来ない。 つまり、所謂「答え」や「正解」がない。 けれ…

組子パネル

写真を整理していたら、出てきた。佛願寺の納骨堂を設計した際、永代廟も付設した。 永代供養という昨今、しばしば耳にする施設。 廟とは言ってもまとまった場所があるわけでなく、 ある壁面を奥深く施し、写真のパネルを並べる スタイルを考えた。どのよう…

模型で眺める。

平面ではなく立体で検討する。 人を置ける尚、良い。眺めると、 問題が随分と明らかになる。 手掛ける空間を考える時、これまでに 携わった建築を重ね合わせて確かめたり、 あれこれ試しては自分のものにする。 こんな時、模型は嘘をつかない。 結局は”人”の…

描く 【編集中】

函館の住宅のディテールのスケッチ、 1/2スケールでとりあえず8枚を描く。 設計、見積の際に検討していたことを、 より具体的なアイディアとして検討し、 工事のはじまる前に適切に伝えたい。 ディテールもCADで描いて良いのだけれど、 どうも何時からか、…

室内風景 

「あれ、どこだっけ?」と何かのファイルを求め、 PCの中を探し回り、普段は眺める事のない過去の フォルダーで、余計なものを見つけたりする。 「ホゥ!」と思い、探していたものを忘れる・・・ 「窓」に続いて、そのようなものを紹介する。 案外、素直に…

窓 

これは随分昔に作ったものなのだけれど、 専門的な雰囲気もあるので、でもあえて、 ブログにて引っ張り出して紹介してみよう。 図面にすれば、何が違うのかは微妙なもの、 けれど、実際にはどの窓も意味は違います。 色々あるのか?と、感じて頂ければなーと…

風船 

建築における『光』とは風船における『空気』だろうか。 最近、思い付いた言葉なのだけれど、 空間の広がりを良く表せるのではと思う。 風船はただ空気は強く吹き込んでも膨らまない。 押し広げるようバランスよく吹き込む必要がある。 コツを飲み込めば、す…

竣工写真 

マンションの2つ目が無事竣工した。 電車通りの一棟目の吹雪の日の撮影と違い、 少しゆっくりと居ることができた上に、 写真も相当に撮ることが出来た。 竣工写真は自分で撮るようにしている。 写真が得意だから、というわけでもなく、 自由に使える写真が…

エントランスホール

マンションというのは、かなり特化した設計物件だ。 土地取得から建築、販売という行為は正に事業規模。 ここにデザインで参加することは貴重な経験だった。 何が出来るのか?場所の可能性を探る設計スタンスは 変わりなく。その仕事の竣工の様をチラホラと…

街を眺める窓。

写真は、むしろ外に露出が合っているので相対的に 室内は暗く、吹雪の朝、吹き付けられて窓に張り 付いた雪が室内にその臨場感を伝えている、まるで 映画のスクリーンのように街並みを映し出す窓。 デザインに関わったマンションは本日引き渡し。 先週末、撮…

視点を変えて。

先日の手稲山の眺望は印象的だった。札幌ほどの都市も、 大地に比べると僅かな段差しかないレゴブロックのよう。 あの眺望を体験して、このCGを思い出した。 北見市での中心市街地活性化事業提案の際に市街地を 立体化したもの。ヴォリューム検証のために…

実施設計、進行中

水廻りはいつも、最後まで悩むポイントとなる。 ここがコンパクトに納まれば他の空間に余裕ができる。 ここが機能的に納まれば、実生活を快適にしてくれる。 ここを綺麗にプランできれば、住まいは楽しいはずだ。 描く度にアイディアが浮かび、幾多の変遷を…

現場にて。

3棟目のマンションのデザイン、今日は現場で打合せであった。 諸所の事情により、着工時に大幅なデザイン変更がなされている。 紆余曲折を経て辿り着いた現場、具体的にディテールを検討する。 所要事項を確認し、その場でスケッチを5、6枚描いたろうか。…

空間は断面に宿る。

一般には『平面』の方が重宝されるのだけれど、 空間は『断面』の方が明快に伝わると言える。 個性はむしろ断面の方が強いのではと思う。 平面が素晴らしくとも立体を約束するものではない。 立体的な、つまり『空間』を常に念頭において建築を バランスさせ…

敷地を見る。

土地探しのお手伝もする。 情報を集めるお手伝いは可能、そして、出会った土地が 相応しいものかどうか一緒に考えることが出来ます。 土地を探されていたお客様があり、適当な敷地情報を入手する。 先ずは一つ一つgoogleのマップなどで確認し、それから送る…

模型をつくる。

週末は事務所にて打合せがあった。 何度も描き直した平面図に断面図をどうにか描き上げ、 一面の立面図を終えたところで眠ってしまった。 目覚めると朝の4時であった・・・ 1時の打合せまでに屋根は間に合わなかったのだけれど、 四面の立面を貼り付けた模…

多灯

照明は自然光採光に次いで最も好きなデザインの一つ。 多くの場合、ダイニングの空間には明るさが欲しい。 どのように灯すのか?いつも悩む。 これは【DOMA/道南の家】のLDK空間。ガラスの美しい、 円筒の小口の輪が綺麗に光るリンブルグ社製の照明が 贅沢に…