ドマのある風景 その2 【DOMA/bookself】

 


講演の日、訪ねると既にギターの音合わせが始まっていた。気積の大きな空間に
心地よく響き渡っていた。そんな中、スクリーンを張り、プロジェクターを設営する。


HickoryWindのA氏による楽隊はピアノを交えて合わせ出す。写真は、そんな風景。
右の竣工写真と見比べてみると実に面白い。空間は使われてこそ生きてくるのだと
実感させられる。間違いなく同じ空間なのだけれど、住まう人の色が加わっている。




DOMAのある家は札幌近郊の緑多い豊かな環境の、このbookshelfをはじめとして、
雄大な大地に建つDOMA/道南の家、それに先頃竣工した札幌の閑静な住宅街に
あるDOMA/yamanoteの3つを手掛けることができた。


DOMAとはかなり強力な設計コンセプトであり、プランの類似性は強い。けれど場所、
住まう人という異なる最も重要な点を大切に取り組むことのできる設計手法でもある。


「ドマがある」という以外の共通点はなかなか見出せない。写真の比較は興味深い。
住まう人の色に染まる様は、自分の思い描いたもの。しばしば竣工写真ではクールに
見えると聞くのだけれど、実際、ドマのある風景は人が居るとより映えると思う。




そんなドマのある風景を舞台に企画されたA氏の講演、どんな可能性があるのかを
確かめられる絶好に機会であり、本当に楽しみにしていた。なんら不安なく、期待して
眺められたのは、やはり、クライアントの強い想いがあればこそなのだと思う。