SOU WORK

しばしば通うカフェがある。飲むのは決まってマンデリンのフレンチばかり。
いつもスケッチブックを開いて何かを描いている。3つのDOMAの住宅も、
ここで何らかの想を得たか、得た想を温めて過ごしたのだと思う。






昔から珈琲には興味があった。大学の頃に手挽のミルを手にして以来、
徐々に理解を深め、いつしか銘柄を選べる程度に自分の嗜好を知るに至る。
夜更けの珈琲は欠かせない。最近は水出しの美味しさにも目覚めている。




もう何年も通うそのカフェ、味は随分移ろっているのだと思う。最近は洗練さを
増していて、フレンチのマンデリンですら繊細な味わいを醸している。行くのは
大抵夜なので、疲れた舌で味わおうと無茶な注文もしてしまう面倒な客だ。


時々、珈琲談義を交わしたり、珈琲窯への理解を深めるべく、薪いストーブや
断熱、暖房、換気の手法を交えては想像を深め、楽しんでいたりする。
そんな店内の壁に最近、一枚の織作品が加えられた。
 

        


SOU WORK、妻の作品だ。染織家である彼女が「アートを」という依頼を頂いて
創作したもの。照れずに済むくらい、映えているように思うのは贔屓目だからか?
直上のダウンライトに思いの他、豊かな表情をみせている。


マスターは昨年末に”たぴお”で催した彼女の個展にも来てくれて、イメージを膨ら
ませていたらしい。気に入ってくれたなら私も嬉しい。自分の設計でドマの末端に
何か置いてみたいと思うことがある。お願いしたら、織ってくれるのだろうか?