Bookshelfにあるストーブはダッチウエスト社製だ。二次燃焼の出来る
高性能なストーブ、バーモンドキャスティング社の製品と並ぶ逸品だ。


個人的にはヨツールなども捨てがたい。クリーンバーンという、排気前に
新鮮空気を送り込み、効率的な燃焼を促す燃焼方法もあるのだという。
ただ、北欧のストーブは”火”をインテリアとして取り込むことに主眼を
置いたデザインがその特徴だろう。実際、実に納まりが良い。


札幌市内では、私は2つほどストーブを扱うお店を知っている。どちらも
凝った方が多い印象。頼れる存在でもある。その一つでイギリス製の
製品を眺める機会があった。イギリス製か。16万ほどだそうです。



現代の北方住宅の中で、これらストーブを主暖房として使うことは極めて
稀なことではないかと思う。薪は高価であるし、ペレットなどは販路の
問題があるかもしれない。ただ、火があることは素敵なことだと思う。


もう一つ、ストーブの存在感というのは、その重さにあるのだとも思う。
鉄の重さ。その硬質感といい、住まいの空間にあって異質な存在だ。






鉄、階段手摺で使う機会はこれまでも経験は多い。


一度、室内建具に挑戦したことがある。ミースばりに。
アングルやカットTを多用すると如実に高く付くので、フラットバーのみの
シンプルなものを悩み抜いてシンプルに考えた。けれど、それでもデザイン
された非常に高価な既製品の遥か上の価格であった。


鉄そのものは比較的安価ではあるのだけれど、細工を要すると手間が
かかる。その手間は工事の中ではとても大きなものになる。板金や
構造材とも違い、金物に近い。金物は家具や建具でも職人技を問う
ような性質のものと同様、基本単価は高く、そして質は良い。




今進めているお寺の施設では仏具廻りに、鉄を使ったイメージを
膨らませている。硬質で重さのある存在感は、スレンダーで繊細に
用いることが出来れば、求める質に合致する。


出来る職人を探し、可能な単価を導けるのか?そもそもの建築コストが
ギリギリ、難題ではあるのだけれど、挑戦する価値があると考えている。




そのお寺は現在、見積もりの真っ最中。今は待つしかない。