S-House まもなく竣工  ■S-house vol.28




S-Houseのクライアント、設計の諸段階から、特に家族の事を大切に考えて
要望を築いてこられたように思う。この和室もそんな想いのあるスペース。


和室はある程度の独立性を要し、日常用途のないスペースとしてプランに
組み込まれていた。仏間でもある部屋、普段は使わないかもしれないという
この余白に、クライアントはいつしか他には求めなかった想いを描きだす。


昨今、予備室としてはあるものの、和室を求められることは稀なことと思う。
ただ畳に対する憧れは否めない。仏間でもあるこの和室、折角造るのだから
高価な和材は使えずとも、モダンに取り組む。


さて何が飾られるのだろうか?間違ってもトロフィーの類で埋めるな!とは
告げているのだけれど。かなり気に入っておられる様子、子供の小さい内は、
先日の布団を敷き、ここで川の字になるのだと聞いている。


和室はロールスクリーンではなく、黒の畳に合わせた和紙ブラインドを使って
いる。なかなか落ち着きある部屋になれたと思う。実際、今朝早朝の撮影時、
ちょっと失礼して横になってみたのはナイショ。畳の心地は大変に気持ち良い。