S-House 計画

トーマス  ■S-house vol.31

幾つかの収納家具を追加したいとのこと、打ち合わせにS-Houseを訪ねる。 引っ越されてから既に2週間が過ぎ、落ち着く頃ではとも期待して。 2階のロフト下収納(天井高さは1.1m)、間仕切壁があれば収納量は増す ものの、通り抜けを要望されたクライアント…

海   S-Houseその後 ■S-house vol.30

所要があり室蘭を訪ねる。訪ねた時は決まって海に行くイタンキ浜の クジラ半島の東側、人の居ない海。道路縁に広がるのだけれど、そこは 太平洋、砂浜に降り立つと波音で外界から完全に切り離される。 湿度は高く波上は白く霞んでいる。タイミングよく青空が…

S-House 竣工見学について。  ■S-house vol.29

札幌市内西区八軒にて住宅「S-House」が竣工しました。 明日は午後から撮影の予定、おそらく夜は9時過ぎまで。 連絡頂ければ案内致します。 ※7/15日、無事に引渡しを終えました。 クライアントは16日に引越しを済ませた様子、 さて、いつ覗きに行ってみよう…

S-House まもなく竣工  ■S-house vol.28

S-Houseのクライアント、設計の諸段階から、特に家族の事を大切に考えて 要望を築いてこられたように思う。この和室もそんな想いのあるスペース。 和室はある程度の独立性を要し、日常用途のないスペースとしてプランに 組み込まれていた。仏間でもある部屋…

S-House まもなく竣工  ■S-house vol.27

S-House 来週15日に竣工します。クライアントの想いは強く、とてもクールな空間が 生まれました。まだ最後の一手間を残していますが、先んじて、仮撮影した写真の中 から幾つかをご案内します。 この世に唯一のオリジナル・キッチンはクライアントの要望に応…

S-House まもなく竣工  ■S-house vol.26

工事の最後は美装となる。その前にダメだしの検査。そのために アラ美装が行われ、室内のあちこちに青のテープが貼られていた。 工事終盤は様々な業者が入ることからも不測の事態が少なくない。 修繕の前、今日の早朝に一足早くカメラを持って訪ねてくる。 …

余談 ・ ・ ・ 布団   ■S-house vol.25

余談。 S-houseのクライアント、竣工を前にして随分盛り上がっている様子。 先日伺った話はとても面白かった。 ・ ・ ・ 布団を購入するらしい。 より適当に「ニトリ」ではなく、シンプルに「無印」でもなく布団屋さんに お願いしたらしい。考えてみると、布…

大工工事 その2  ■S-house vol.24

S-houseでの大工工事、終盤の山場となった2Fカウンターの製作現場、 その1から続きます。 ある日の現場打合せ、昼過ぎに終えて現場を見て回る。カウンターの 製作が佳境を迎えていた。既に部材の加工は終えていて、取り付ける ばかりになっていた。床には…

大工工事 その1  ■S-house vol.23

S-houseの大工は気さくな若手ペアであった。快活な彼等の創る現場の 雰囲気は実に良く、何より感心させらたのは現場がいつも綺麗なこと。 これがとても大切なのだ。何時訪ねても気持ちが良い。 仕事は丁寧、他業者と関わる部分も面倒見良く、板金で悩んだ時…

ロールスクリーン  ■S-house vol.22

竣工の近いS-House、仕上げ工事が盛んとなっている。日に日に完成に 近づく姿をクライアントはとても楽しんでいるらしい。とても嬉しいこと。 表札はアルミ板を加工し製作している。幾つか候補を上げ、クライアント に選んで頂いた字体をイラストレーターで…

キッチン その4 現場風景  ■S-house vol.21

訪ねた日、現場ではキッチンの設置工事が行われていた。玄関から入る 大きさに分割されたパーツが現場で手際よく組み上げられて行く。 クライアントの要望を聞き、イメージし、やがて具体的な図面となって 仕様が定まり、製作図面が出来上がり、各部機器類を…

現場風景 2Fオープン・スペース  ■S-house vol.20

クライアントと現場を訪ねる。現場は大工工事が一段落し仕上工事が 始まっている。壁はジョイント部分、釘頭にパテが盛られていた。 2階オープンスペースは子供のためのスペース。当初、6畳2部屋を要望 されていたクライアントと相談し、個室ではなく各ス…

キッチン その3  ■S-house vol.19

キッチンは設計の際に機器は選定し、勝手や収納を検討している。監理が 始まってからは、より精細に検討し、打合せを重ねて要望をまとめてゆく。 図面を製作、ポイントをスケッチするなどし、製作者と打合せる。返される 施工図を確認し、整理し、クライアン…

工事終盤 ■S-house vol.18

西区八軒で監理している【SーHouse】、来週の中頃には大工工事を終える。 足場が外れ、外観全貌を眺めることができた。昨日は現場打合せに行く。 大工工事が終わるとは、工事がいよいよ仕上工事に入ることを意味する。 工事は終盤、現場は「竣工」を意識して…

キッチン その2  ■S-house vol.17

キッチンを考えるには様々なポイントがある。プランから当然検討し、 収納やインテリアとの関係、どのようなスタイルかを想像を膨らます。 その想像を各部のディテールや機器選定などを通じて具体的にする。 そんな中で最も基調となるのは天板の仕様だろうか…

キッチン その1  ■S-house vol.16

S-Houseのキッチンは造作キッチン。デザインはオリジナル。 長さ2800mm×奥行き800mmの大きなキッチンをリビングの 一方に配置する、LDK一体のオープンな空間が特徴となる。 S-Houseのインテリアは白と黒のコントラスト、モノトーンを基調 としている。キ…

和室  ■S-house vol.15

S-Houseには和室がある。諸事情から客間は必要であった。 当初からインテリアのイメージが十分にあったわけではない。 予感はあった。それは畳選びで現れてくる。クライアントは畳を 「黒」、縁は「墨色」を選ばれる。方向性が明らかとなった。 造作が間もな…

外壁の色決め  ■S-house vol.13

S-House、外壁は板金だ。安価ではないけれど、板金仕上の中では ローコストな立平葺。板金の基本技術による仕上げは表情がある。 なぜローコスト?それは使う材料がただの鉄板のみだからだろうか。 故に、チープに見せないためには端部の納まりを入り念に検…

外壁のディテール決定物語。  ■S-house vol.14

立平葺は特殊な加工部材を用意せずとも、折る、曲げる、掴むという 基本的な加工で納まるシンプルさ、面白みのある仕上げだと思う。 故に、なるべく複雑な納まりは避けたい。出来るだけ簡素に考える。 監理が始まると直ぐに窓廻りや軒先、水切りなど一式のス…

軒 その2 ■S-house vol.11

前回に書いた軒 その1、実際にどう施工されたのか? 案内してみたいと思う。その経過を現場写真から ・ ・ ・ プレカットされた材料、応援の大工さん、選んだ好天、建築は一気に 建ち上がる。所謂「上棟」。屋根は防水紙までが施され一段落となる。 軒の先…

軒先  その3 ■S-house vol.12

軒先 「その1」、「その2」。今回は「その3」です。 ダンボールのような中空材を積層したこれが換気部材。虫の侵入も防ぐ 優れモノ。様々に工夫して用いる。現物を眺めると、こんなものかーという 素朴さ。小屋裏換気、外壁通気の要となる重要な機能を負…

軒  その1  ■S-house vol.10

建築をより良くするためには、発想しイメージを絵にする「計画」、実際に 図面を製作する「実施設計」、そして”現場”の「監理」が欠かせない。 現場が動き出すと、「監理」業務が始まる。 「現場管理」は安全、工期、コストを管理する施工者の業務。 「設計…

壁塗り。 ■S-house vol.9

この日は、設計ではなく作業員としてクライアントと共に現場に乗り込む。 S-House、外壁の赤い松の羽目板に保護塗料塗る第一回目であった。 (アプローチに羽目板を使っている。) 使ったのはデンマーク製の環境に配慮された外部塗料。拭取り仕上げ なので、…

設計経過。(工務店の決定など)  ■S-house vol.8

工務店の決定は、多くの場合、実施設計を終え、見積もり後に なるものと思う。大抵は数社に見積もりを依頼し、内容を精査、 より信頼できる一社を選ぶこととなる。 見積書を眺めると、施工者の建築・図面への理解や技術レベル、 それに信頼など、多くのこと…

■敷地相談、お気軽にどうぞ。  ■S-House vol.7

■敷地相談、お気軽にどうぞ。 知らない敷地と出会い、そこに生活ある風景を描くこと、これは発想 演習のようでもあり、自分自身、とても楽しい機会でもある。土地選び のサポート、例えばこのようなカタチで参加させて頂くことも出来ます。 通常の設計では、…

見学  ■S-House vol.6

S-Houseのクライアントとは、敷地見学やラフプランを通じて お話をお聞きしつつ、設計への準備をしていたのだけれど、 欠かせぬ一つとして、「住宅の見学」もしている。 昨年の冬の終わり頃、Bookshelfを訪ねる。自分自身、近況を 見せて頂きながら、オーナ…

土地探し。  ■S-House vol.5

先日、着工したS-House、相談を受けたのは一年以上も前になる。 古くからの友人であるクライアントの「家を建てたい。」という相談は 本当に嬉しいものだった。期待に応えるべく、緊張の時が始まる。 相談を受けた当時、既に予算を計画し、土地探しも始まっ…

地鎮祭  ■S-House vol.4

3月の終わり頃のある暖かい日、日を選んで地鎮祭が行われた。 地鎮祭とは、地を鎮めるための儀。今では上棟式も稀であるし、 形式的ではあるものの、実に身の引き締まる思いがする。 クライアント自身も、いよいよという思いを新たにできる公の場、 家族や親…

種はもう撒かれていた。  ■S-House vol.3

しばらく動けなくなっていた。無力を感じ、喪失感を覚えた。 何が起きたのか、何が出来るのかを知りたかった。 楽しむことを忘れ、ただ呆然と眺め、過ごしていたと思う。 建築というのは、人の生を活支える器に他ならない。 どのような状況にあっても欠く事…

計画中  ■S-House vol.2

土地探しからお手伝させて頂き、もう一年以上になる。クライアントと 一緒に土地を見に行き、気になる敷地ではラフプランの製作を試み、 どのような可能性があるのかを提示させて頂いていた。 その間、事例を見て頂いたり、一緒に家具店にて椅子やソファを眺…