間もなく竣工  ■BUTSUGWANJI vol.10





5月末に上棟した道東のお寺の現場、まもなく竣工する。木造は
上棟時の姿が特に好きだ。見えているのは”骨格”、構造のみの
スレンダーな姿は凛として力強く、そしてシンプルだ。


シンプルさは求めたもの。より簡明に解けるようプランと構造は
練り上げ設計に取り組んでいる。上棟すると間髪を入れずに資材
が運び込まれ、一気に”現場”らしく活気に満ちることになる。


ここから2ヶ月が経過、紆余曲折を経て、幾つかの都合を調整し、
予定より1週遅れの今週末に完成となる。建築、消防の検査を
既に終え、仕上工事の一部を残すのみとなっている。






今回増築した施設、最初に話を伺ったのは2005年の春のこと。
計画を試み、以来アイディアを温め、昨年春に具体的な計画案を
製作する。建築は1年延期され、この夏にいよいよ竣工となる。


随分長いスパンを要している。手間はあるものの、掛けた時間の
長さに比例し、建築は求められる姿により近づけたのではと思う。


今週末は施設の重要な仕上が待っている。引越及び美装後、受け
手がなく自分で施工することとなった組子のパネルの取り付け、
そして、阿弥陀様を備えるまで。





住職が「多くの人の想い」としばしば使われる。お寺とは確かに
多くの人に支えられるもの、身の引き締まる言葉だ。その想いが
一つとなる場に立ち会うべく、今週最後の監理業務にて訪ねる。