BUTSUGWANJI

その後。

4年前に竣工したお寺、その納骨堂。 敷地は細長く特異、限られた予算、 最大の効果を得ようと奮闘した設計。 全長28m程の建築は加わえて、 このお寺は一応の完成の姿となる。 (夜はこんな感じです。)携わった一期工事は、本堂の東側に 約1000㎡の鉄骨造…

組子パネル

写真を整理していたら、出てきた。佛願寺の納骨堂を設計した際、永代廟も付設した。 永代供養という昨今、しばしば耳にする施設。 廟とは言ってもまとまった場所があるわけでなく、 ある壁面を奥深く施し、写真のパネルを並べる スタイルを考えた。どのよう…

工事終わる。

お寺の改修工事が終わる。改修前後の変化はほぼない。 既存の暖房設備に床暖房を組み込む工事、その使い方は 様々が予想できる。この先、外気温は零下に下がる。 未使用期間に建築は十分に冷え切るだろう。厳寒の地、 どう暖房を立ち上げるのか?効率的な運…

暖房

暖房の形式は様々ある。用途に応じ適切なものを選びたい。 ここは使用頻度が低く、ある短時間だけ効果的に暖めたい。 道東の厳寒期を快適な環境とするため、既存の暖房設備の 能力や特徴、耐用年数も考慮し、設備設計を交えて検討する。 採用したのはこの電…

現場

昨年竣工した納骨堂、そのお寺の暖房改修で現場を訪ねた。 既に工事が始まっている。現場監督、棟梁に大工、電気工事、 どの人も昨年一緒に仕事をした人、再会はとても嬉しい。 一度仕事をした人には、最初から全力で注文が出来る。 悩ましい納めは、実際に材料…

秋かな。

空に明るさの残る夕暮れ、その明るさが僅かになる頃、 それは一日の中でも特別な、昼と夜の間にある時間。 その時に訪ねるなら、この光景と出会える。 写真は昨年竣工したお寺の施設、丁度今時期でした。

大きさを確かめる。

佛願寺の納骨堂、これは適切な大きさ、スケール感に 設えることができたと思う。 55坪の広がりある空間、その奥行きは27mを越える。 これを一直線に結ぶ主たる動線は、一切の無駄を 省いたプランの要、これをそのままハレの間としている。 この空間に入ると…

佛願寺

昨年竣工した物願寺の納骨堂、その納骨堂に納まる阿弥陀様を写す。 工事最後に皆の手で設置する。その瞬間、建物に生が宿されたよう。 居合わせた関係者の皆、労を労われたような気がする優しいものだった。 その夜から竣工写真の名の下に自分だけの時間を多…

間もなく竣工  ■BUTSUGWANJI vol.10

5月末に上棟した道東のお寺の現場、まもなく竣工する。木造は 上棟時の姿が特に好きだ。見えているのは”骨格”、構造のみの スレンダーな姿は凛として力強く、そしてシンプルだ。 シンプルさは求めたもの。より簡明に解けるようプランと構造は 練り上げ設計に…

建具  ■BUTSUGWANJI vol.9

「建具工事」は「家具工事」や「金物工事」に次いでとても高価な工事だ。 窓はつい多くなってしまうけれど、プランを検討し、ドア類は減らす工夫も している。既製建具ではなかなか行き届かないもの、製作の機会は徹底 したい。至る所に創意の余地のある、実…

お寺の現場  ■BUTSUGWANJI vol.8

お寺の現場、西側の外壁が張り上がる。長い壁面を一枚一枚、人が 板を張り、折り、つかみ仕上げてゆく。その一歩一歩踏みしめるかの ような丁寧な仕事に、住職は随分感じ入ってくれたらしい。 足場に登り、屋根廻りを確認していた。ふと、振り向くと本堂の屋…

建築金物   ■BUTSUGWANJI vol.7

道東のお寺では阿弥陀様まわりの仏具を金物で設えるべく検討している。 通常の仏具ではなく、スチールを使う。重厚さ、繊細さ、質感は魅力だ。 設置、組立、搬入も考慮しつつ、より繊細なデザインとすべく試案中である。 「建築金物」、住宅でも螺旋階段や階…

化粧ビス   ■BUTSUGWANJI vol.6

建築は様々なものの集合、その様々なものとは個々に特殊であり、 専門の知識が欠かせない。中でも建築金物の類は難しい。似たような 形状でも用途は異なるし、その細分化は実に特殊な存在に見える。 問題となったのは「化粧ビス」。最近だと表札プレートの固…

ギドラ   ■BUTSUGWANJI vol.5

大きくて強く、何より頭が三つもある極めて派手な怪獣。 特別な存在だけれど、欲しいと思っていたわけではない。 何の機会だったろうか、親に連れられ超合金のおもちゃを 買って貰う。欲しかったのはゴジラ。おもちゃサイズでは 迫力よりも可愛らしさ、黒い…

工事始まる。    ■BUTSUGWANJI vol.4

この設計、相談を受けたのは数年前に遡る。既に老朽化の著しい一部施設、 手を打つ必要のある状況にあった。修繕して使えるのか、建て替えるのか、 お寺を守る住職からの相談は真摯なものであった。 建て替える場合、ではどのような姿を考えられるのか?その…

最後の雪かな。   ■BUTSUGWANJI vol.3

4月に入り雪が降る。気付くと道は白く覆われていた。 空は適当に冷えていたらしく、良くみると雪の結晶が、 幾つかあるのがわかった・・・先週末の早朝のこと。 明日から道東、お寺の打合せだ。とりあえず、何とか 用意すべきは整った。 これまで経験の無い…

建具   ■BUTSUGWANJI vol.2

建築には様々な工事区分がある。木造建築でもその数は少なくない。 基礎工事、木工事、板金工事など。その一つに建具工事がある。 住宅の建具、昨今は既製品を用いることが多いのだろうと思われる。 大手建材メーカーなら、内装仕上材まで揃えてラインナップ…

模型で光を再現   ■BUTSUGWANJI vol.1

お寺の納骨堂を設計している。昨年100周年を迎えたこのお寺は、以前、会館と 庫裏を設計させて頂いている。古く荘厳な本堂を除き、残された最後の部分となる 納骨堂、老築化は著しく、新たにすることとなった。その取り組みは昨春から続く。 納骨堂とは改…

お寺の改修

道東の街は寒かった。札幌を出る時はまだプラス気温であったのだけれど、 石北峠に差し掛かる頃、グングン気温は下がり-10℃を下回る。故郷の街では -13℃まで下がっていた。しかし、今年既に-20℃を経験しているので、それ ほどでもないという雰囲気。凍てつく…