竣工写真から。   【DOMA/道南の家】


   


先日の記事に載せた【DOMA/道南の家】のドマの風景、竣工写真に近いアングルがあった。
竣工写真と住まわれている風景では当たり前のことなのだけれど、随分印象は異なる。
竣工は2年前の秋の終わり頃。冬の始めとも言える。ちょうど雪の日でもあった。


竣工写真は日差しのない空模様。そのため、リビング側の明るさの感じが写真にも写る。
自然光を使う空間こそ建築的な光だと思う。このリビングの明るさは、南側の連窓からの
明るさや天候、陽の傾きに左右されず、いつもこのような柔らかい光に満ちている。





日差しがある時のドマは暖かい。蓄熱効果は高く、暖かさは直ぐに実感することができる。
断熱性能を考えるなら、窓は無い方が圧倒的に良い。でも、先日の写真の風景を思えば、
当然眺めたい。窓が大きくなれば温熱環境は不利となる。これをどう解消するか?


DOMA/道南の家】は地中蓄熱式の床暖房を採用している。ドマは別経路にし、重点的に
管理できるよう施してある。数値性能では十分なのだけれど、後は実際にどう運用するか?


オーナーのT氏は2年の冬を経験され、既にかなり上手く扱える様子。直ぐには温まらない
床暖房、冷め難い故に”安定”する快適さがあるのだけれど、取扱いに慣れは欠かせない。
まもなく冷え込みも厳しくなるだろう頃に寒さを全く心配せずに安心されている姿に安堵する。





温熱環境と眺望や景観との一体感など楽しい住まいの方の両立、住みよい環境を達成する上で
「室内の外」と考えた”ドマ”の空間は重要だ。以前にも載せたこの図版の通り、要となる。


通常、窓下にはパネルヒーターなどを設置し冷気対策を施す。この家は南側に窓が集中し、
ここをドマの床暖房で対処する。リビング等の居住空間は一段上の更に奥にあり、窓際からは
ドマを挟んで遠く離れ、より確実に快適な空間を求めることが出来る。




日差しのある時は日射熱で温み、夜は床暖房で温む。実際、ドマは快適でもある。
同じ構造を持つ【DOMA/bookshelf】オーナーのF氏によると、実は先日のカヌーでも一緒させて
頂いたF氏の後輩は酔ってドマで寝たことがあるらしい。確かに暖かいけれど寝るには硬く痛いかも。


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