北海道特有の空間



行けば心身ともにリセットされるような、心象に残る場所がある。以前に書いた
チミケップ湖オンネトーは自分とって特別な場所、北海道らしい自然の風景だ。
人の築いた構築物が自然と呼応する、そんな気持ちの良い場所も北海道にはある。






森町にある”鷲ノ木遺跡”のストーンサークル。約4000年前に人が築い構築物だ。
長径で37mの巨大な円が忽然と森の中に現れる。高みから眺めなければ、それが
何かすらよく分からない程に大きい。その光景は実に壮観だ!
(土嚢は残ったままだれど、養生シートがとれ、今は石を見ることが出来る。)


道南にある森町は駒ケ岳、それと対比する大きな空といい、実に気持ちが良い。
そんな雄大な景観の中、高台の森の中にこのサークルが刻まれている。明らかに
人の仕事。場所を作るのも大きな石を運ぶのも半端ではない。


高速道路建設に当たり発掘され保存が決まっている。高速道路は地下トンネルで
この遺跡の通過する。開通が遅れた最大の原因らしい。一般道では森町の手前の
トンネルを出てすぐを山側へ右折すると、その奥にある。






この遺跡に出会い、初めて北海道のオリジンを強く意識することが出来た気がする。
千歳の”キウス周堤墓群”。札幌からは長沼を通過し、千歳へ向かう道中にある。
約1時間程のドライブで観に行くことが出来る。


大小幾つかの周堤墓があり、最も大きなものは直径75mだという。写真のものは
第一号と呼ばれる状態の良い小ぶりなもの。しかし、長径は40m近いと思われる。


盛土は高く外から中は見えず。周堤の中にに降り立つと外からは完全に切り離され、
特異な空間に落ち着くことが出来る。その圧倒的規模の土木工事は実に力強く、
円という幾何学は知的、そして森の中に築かれた静寂な空間の神秘性に目が覚める。


夏は猛烈に蚊に襲われるので覚悟が必要だけれど、先日の秋はとても心地良かった。
訪ねる価値のある特別な場所ではないかと思う。約3000年前の人が作った構築物。






2年前の春にこの代一号周堤墓全景を撮った写真を載せる。
ここは他にも数個の周堤墓がある。もっと大きなものも小さなものも。強烈だ。




身近に在る数千年前の巨大な土木工事跡が今でも見学できます。


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