エントランス・デザイン 



知人→同窓の先輩と転がり伝わり、マンションのデザインをすることになりそう。
と言っても、マンションのデザイン要素は限られている。外観はそこそこに、エントランスが主となる。
今回の仕事は設計ではなく ”デザイナー”。少し、楽な気持ちではある。






マンションとはかなり特殊な建築タイプ、建築築工事というよりも”事業”という規模になる。
通常のクライアント+設計者+施工者というスタイルでは収まらず、「ディベロッパー」が事業を興す。
販売を目的とするため、営業色が強くなる点も通常の設計とは随分と異なって見える。




よくよく考えてみると、マンションとは「集合”建売”住宅」、数十戸の高価な”商品”を販売する事業だ。




設計は実務的、「住空間の提案」というよりも「商品開発」という印象を受ける。大規模な建築となり
構造の制約は強い。建築可能範囲に効率的な構造体を計画し、その中に如何に住戸を納めるかが
問われる。住戸は占有面積、nLDK等が重視され、利便性や保守性など確実な無難さが求められる。




利便性こそが最大の価値であるようにも見える無難さは、自分が信条とする「楽しさ」とも離れる。
空間の創造に価値を見出さない設計に興味を覚えたことはない。今回はデザイナーであることが
気持ちを楽にさせてくれたのかもしれない。それ故に自由に取組める機会に興味を感じたのだと思う。




良く知らない建築類型、建築本を眺め、市内を走り回り実例と現状の把握、観察から仕事を始める。
見栄えを重視する傾向は強く感じる。人が疎外されてしまいそうな不自然に大きく立派な門構など。
建築自体というよりは表層の色や素材の選定に終始して終えているような事例も見受けられる。




さて自分に何ができるのか?やはり通常の設計手法により正攻法に攻める。まず敷地を観察すること、
これに尽きる。”場所”はやはり非常に大きな価値在る情報を教えてくれる。導き出すデザインは自ずと
建築的となり、コンセプトを創造しデザインするところから始めることが出来る。




幸運にもこの仕事の緒関係者はどの人も経験あるプロフェッショナルである。環境は作ることは出来ても
恵まれることを求めることは出来ない。その意味でも非常に良い機会にめぐり会えたのだと実感している。




本日、第一回目の提案であった。概ね好印象ではあった。関わる以上、携わる建築が無事に創られ、
住まう人の生活を潤す器に至ることを願い、真摯に取組むのみ。




添付のパースはエントラスの提案。現在さらに更新中。

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