運のいいやつは転がる。
雪夜の翌朝早くなら、こういうシーンがたくさん見られる。
森の中では無垢で新鮮な白い雪原が楽しめる。
今日は森に入るのが少し遅かった。
樹幹に積もった雪が日を浴び、落ちた跡は意外ときたない。
ボタボタ、パラパラと枝から落ちる雪。
しかし、それら中のある種の雪は転がり出すらしい。
風が通る見晴らしのよい場所に多く見られる気がする。
・・・誰かが早朝散策の時に残した跡かもしれないが。
適当な塊となった雪が枝からこぼれる時、
風に乗るほど十分軽い小柄な雪の塊は遠くまで飛ばされる。
その勢いをかって転がってゆくのではないだろうか?
中には転がったが跡は延々と続くツワモノもいる。
どこまで転がったのだろうか。
ボタッと落ちるものもあれば、粉々になるものもある。
恵まれた者は転がれ、運のいいやつはどこまでも転がる。
姿が見えなくなるほど遠くまで、地上でも旅するらしい。
溶けかかった雪の中に運よく雪の結晶を見つけた!
そんな雪原には新鮮な木皮がたくさん落ちている。
その答えが、鳥の仕業なのだと今日わかった。
元々、鳥を目的とせずに森に入る。木々茂る場所では
鳥の声が幾種も響く。見通しの利く冬の森にも関わらず、
その姿は見えない。まるでからかわれているかのようだ。
諦めずに眺めていると、そのうち「鳥目」が出来上がる。
ピヨピヨと騒々しいのは四十か五十のカラ?はたくさん居る。
ピヨッと鋭く鳴くのはキツツキ類のゲラ、大柄の鳥だ。
ゲラはこれでもかというほど頭を振りくちばしで木を突く。
森に響くのは鳴き声だけではなく、鳥達が木突き剥く音と、
風に揺れて木々が動きぶつかる音。
ジージーとなく背が白黒の縞々の、カラ程の大きさの鳥が
目の前でツタのような細い枝を丹念に動き回っていた。
そんな細い枝に餌となる何かがあるのだろうか?
そんな鳥達の剥き取った木皮が雪面にいくつも落ちていた。
落ちた木皮、抜けの良い冬の森の中で陽を浴びて熱を帯び、
やがて雪を溶かして雪原に潜って行く。
雪原はそんな痕跡からもやがて春を見出すのだろうな。
・・・脈絡なく書いてしまう。
タイトルとは違う方向へ進んでしまったかな?
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