磨き上げるには月日が欠かせぬ。


ふと見ると、高齢の職員がどうやら手摺を清掃している。
思わず足を止めたのは、それがただ拭いているのではなく
磨いていたから。磨き粉を使い丹念に磨き上げられる手摺。
聞けば毎日のこと、前任者から引き継いだことを聞く。
半世紀の間、磨き上げらた手摺。
・・・良く金属が残ってたなー。


帰りはエレベーターに乗らず、遠慮がちにはしたけれど、
命一杯、手摺のお世話になって階段を降りた。


建築士事務所協会のある大通りのビルは古く、重厚だ。
その印象の良さは、こんな丹念な仕事があればこそ、
なのだろうか。事務所登録の後にこのシーンに出会う。


事務所登録は資格があれば、誰にでも出来るもの。
それをどう磨き上げるかは自分次第。
教訓ともなる良い光景に出会えたことは、嬉しかった。