跨線橋


元町での所用、自転車で出かける。一時間程のサイクリング。
その気になれば、市内なら自転車行動範囲なのだと実感する。


実は、あまり知らない場所。そういう時、自転車は重宝する。
最近はスピードを出さずに乗る。幹線は避け、裏道をきままに
走るのがとても面白い。寄道、回り道、遠回りが好き。


約束の時間があるので急いだ行きの道、帰りはゆるゆると走る。
元町からは線路を越えなければならない。アリオで混合う道を
避け、苗穂駅付近を眺めると、見つけた。



跨線橋だ。


跨線橋、記憶では岩見沢長万部で出会ったことがある。
どちらも徒歩の時に見つけた。その登口は大抵、ひっそりと在る。
この跨線橋は新しい。以前はどのようなものだったのだろう?


車通りからは離れ、人が吸い寄せられるように集まる。
通過する時はすれ違うのに注意を要するような狭さ。
自転車なので、昇り降りは大変だなーとは思いつつ、
見つけてしまった以上は、通ってみようと。


流石に札幌駅の隣の駅、列車がたくさん居る。
鉄っちゃん要素は少なく、何も識別できないものの、
見ていて面白い。この広範囲に展開する線路の数、
何かしら重要なことがここで行われているのだろう。


遠くに見える大小様々、数多くの客車庫を眺め、
以前に遠軽の客車庫を描いたのを思い出した。
遠軽の客車庫は網走と並び、相当に古いのだと言う。


列車のための倉庫、列車の入る規模とは、実際に
立って見ると相当なスケールだ。その規模とは、
正にヒューマンスケールを越える空間だ。


ただ、線路という細い鉄が繋がり意味を成す道が
導かれていて、何か不思議な出会いを思わせる。


そういえば、JRに友達が居る。
お願いしたら、案内してくれるかな。


スケッチは古びた客車庫の内部、ペンで描いたもの。
油とホコリで汚れた室内に差し込む光が綺麗だった。







苗穂駅のこの具合、岩見沢長万部を思わせる。
鉄道基地なのだろう。
岩見沢は炭鉱町からの列車を小樽へ導く場所。
長万部は小樽経由の5号線と室蘭からの本線を
函館へと結ぶ鉄道の要所であった。


この苗穂駅もそのような意味合いあったのだろうか。
この規模で展開する故に、道路は随分遠くを迂回する。


人は、その速度、行動半径からこのような跨線橋
用意されるに至ったのだろう。


周辺は工場町の様相で、自転車はより速度を落とし、
あちこち小道を選んでは走り眺める、良い時間を過ごした。






キョリ測で計測すると、おおよそ30kmの行程であった。