写真の本。


本を行商する知人がある。
かれこれ、付き合いは短くもない。
お互いに縄文世界が好きなので、
話し出すとつい、長話になっている。
久しぶりに話した後に、商人らしく、
当然のようにおいて行った一冊。


1955年の日本の民家を撮ったもの。
全国各地の家が納まっている。


白黒で表現されるのは、光や質感。
それが迫真のものと見えるのは、
神経質と思えるほど実に丁寧に
撮られているからなのだろう。
その緊張の空間に、息を飲んだ。


一目見て直ぐ、魅入られてしまった。






近頃は、本を見た瞬間に手にすべきか
どうかを直感してしまうように思う。
とても不思議な感覚なのだけれど、
久しぶりに、そういう本と出会う。