敷地のはなし。その2【DOMA/yamanote】  【編集中】


DOMA/yamanote】、敷地の使い方が大きな
分岐点となった設計でした。


南北に約45度の傾きのある細長い敷地です。
隣地の住宅は南西の道路に面して建てられ、
リビングの窓が道路に面していました。
通り行く人と今日はをしてしまうためか、
どの家も大きな窓にはカーテンが・・・


南側で空地に面して大きな窓を開ける、
一般的なプラン、考え方ではその傾向が強い。
けれど、それが快適なのかは疑問でもあります。


初めて敷地を訪ねたのは、まだ雪深い頃。
雪原にたくさんの足跡を残しました。
タンポポの咲く頃まで足重に通い、
様々に考えを深めるました。


敷地に立って北を望む。(写真上左)、
写真奥の右手=東側、
向いの家の庭越しに街を眺められました。
(木に隠れて見え難いですが。)


敷地にたって南を望む。(写真上右)
写真の左上=東側には三角山が見えた。


これを眺められたら良いなと感じたもの。


敷地は西側はやや閉鎖感のある雰囲気、
東側は南北に眺望のある開放的な雰囲気。


敷地は四方を家に囲まれていて、
大きな窓を開けても、開放感よりは
囲われている感が強くなると思われ、
おまけに視線に晒される、と思いました。


その中で見つけた二つの抜け良い僅かな方向、
三角山と街への眺望、これをどう活かすのか?
これが設計において重要と考えました。





閉鎖感のある西側に建築を、
開放感のある東側をコート(庭)とする、
コートハウスを設計しています。


細長い敷地をあえて縦に割る配置は、
このような過程を経て得たプランです。


一枚目の写真、建物と空が並んでいる様子が、
わかるでしょうか。綺麗な空を作りました。




基本的な考え方、外と室内をどう結ぶのか?
実は、これは【DOMA/道南】と同じです。


眺望のある敷地では眺望を活かしました。
閉ざされた敷地ではコートをつくりました。
【住宅】→【コート】←【外】
プライバシーを守りつつ、開放感のある住まい。


コートは採光、眺望、換気の要、十分に開放感の
あるプライベートな外です。住宅のリビングは
ドマ越しに3間巾の連続窓で面しています。


その落ち着いた風景、外一体感のある様は、
この写真の通りです。椅子も映えるかな?





建築設計とは敷地との良好な関係を築く事。
ローコストな住宅ではあるのですが、
築いた敷地との関係、公私の区分、佇まいとは、
コストには関係のないものです。これを適切に
考える事ができれば、様々な生活のスタイルに
応える設計ができるだろうと思います。