組子パネル

写真を整理していたら、出てきた。

佛願寺の納骨堂を設計した際、永代廟も付設した。
永代供養という昨今、しばしば耳にする施設。


廟とは言ってもまとまった場所があるわけでなく、
ある壁面を奥深く施し、写真のパネルを並べる
スタイルを考えた。どのようなパネルとするか?
ここは大いに悩まされた。雛形は何もない。
どのようなものでも良く、それが浄土なり、
人が向き合える場所であることが求められた。




絵は描いたものの、ゼネコンからは何物かわから
ないので管理は出来ない!との言われてしまう。
結局、自分で監理ではなく管理までしてしまった。
(建設工事中にこの密度の加工物も同時に
 管理するのは、実際、難しいことに違いない。)




組子の技を持った老練な建具職人、
建築金物のスペシャリスト、
丹念な施工をする塗装職人、
アクリル素材を一枚一枚研磨下さった業者さん、
ジャストサイズの質良いビス類を調達下さった金物屋さん、
セッティング下さった、いつもはキッチンでお世話になるIさん、
最良の切文字仕様を探して諦めなかったサイン屋さん、
管理はしないとは言いつつ、業者手配に連絡、現場調整や
予算配慮までお世話下さった現場監督さん、
そして、理解し信頼し任せて下さったクライアント。
・・・小さなパーツだけれど、多くの人の協力の賜物。


自慢話をしようかと思ったのに、感謝しか出てこないなー


当初から相談させて頂いていた建具職人とは10年来の
付き合い。デザインの要は組子、無理を聞いて頂いた。
写真は建具工場で最初の一枚が組み上がった時のもの。
光線を後ろから浴びて、綺麗に光っている。
正に、意図した通りに出来上がり、嬉しかった。






そのうち、検討から製作、設置までをまとめて
書いてみたいと思っているのだけれど、なかなか・・・
これは、建築というよりも工芸に近いのかも。