古本

ここ数年、古典や純文学に傾倒しています。
読書時間を作っているわけではありませんが、
カバンには常に本を入れて過ごしています。


数々の人の手を経た朽ちる前の本を手にする、
又は、本の寿命の最後を私が貰い受ける贅沢、
古び色褪せた本は新刊を手にする緊張がなく、
カバンの中で更にくたびれさせる罪悪も少なく、
仮に読むことなく本棚に飾るようなことが
あってもそんな不精を許してくれそうな、
古本が、私には丁度良いなーと感じています。


読書の指南役、私には居ないのだけれど、
古い本はその存在自体が指南なのかもしれない。




ススキノの目抜きに密かにあるこの怪しいお店、
まるで安部公房の一説に出てきそうな佇まい、
本棚の片隅に地下に通じる小さな扉でもあれば、
完璧!ここで以前指南頂いた本が面白く、
重宝したい、好きな古本屋さんです。


昨年秋は、モーパッサンの『女の一生』、
ツルゲーネフの『はつ恋』、『ガリバー旅行記』・・・
どれも面白く、印象的でした。再び訪ねては、
普段は川端、谷崎を好むと添え伝えた上で、
改めて指南をお願いすると、おじさんは妙に慎重。
結果、絶好調でも数ヶ月、怠けると数年にはなる
だろう程度の本を手にすることとなりました。


とりあえず、バーネットの『小公子』をカバンに
入れてみる事にする。