【 MoAi in ny 】 リビング・ダイニング 

竣工写真をたくさん撮ってしまい現像や選定に
手間を要していて・・・気長に取り組むように
方針転換する。最早、時間に追われる事もなし。


監理時は現場が動く中、クライアントに判断を
頂くべく取り組むとなると、時間に追われる。


写真、クライアントは楽しみにしてくれてるかな?
だとすれば、もったいぶるくらいの方が・・・
・・・自分の意識が繋がっている間に仕上たい。




実現が大いに難題であった27坪の二世帯住宅。
そのリビング・ダイニングの午後1時前の風景。




同時刻の別アングル。ポスターの貼られた壁の
奥にキッチンがあります。



超広角レンズで撮影をしているので、
近くのもは大きく、遠くのものは小さく写る。
南側の窓はスリット状のものか、大き過ぎぬ
サイズの窓を用いている。一般的な住宅の
リビングの窓よりも面積は小さいだろうか。
それでも、陽射しの有る時間帯は明暗の
コントラストが強く賑やかな室内となる。


陽射しがあり、室内の明暗のコントラストが
強くなると、必ず暗がりが生じる事になる。
陽射しは強く明るく、相対的に影はより暗く。


重要なのは、影の暗がりが陰湿感を招かぬ工夫。
影は特に壁や天井の隅でより深く強くなる。
折角の明るい室内も、その室内の四隅に影を
強く帯びるなら、閉鎖感までも生み出してしまい、
結果的には気持ちの悪い印象を与えてしまう。


自然光採光の事は、何度も書いてはいるものの、
実感を伴わなければ理解は難しいかもしれない。
百聞一見にしかず。
南側に大きな窓があれば明るいと信じるも良し、
でも、もう少し探求すると面白い発見もある。
光は、建築には絶対に欠く事の出来ないもので、
しかもおそらく、最も難解で思惑通りなどに
なるはずの無い自然そのもの。故に面白い。



写真は補助光を用いずに自然光だけで撮影。
嘘の付けない状態なのだけれど、
どちらの方向を眺めても光が回っていて、
しかも奥の方は明るく、つまり奥行き感や
伸びやかさが感じられるのでは?と思う。




光の事ばかり書いたのだけれど、
設計者としては手応えのある空間だったよ。
それが嬉しい。
あれこれと書いている事は設計の際に、
様々を検討し、模型などで確認しつつ、
これまでの経験と照らし実践することになる。
理由を説明出来、今は解説も出来るけれど、
クライアントがオーナーとなり住んだ時に、
『気持ち良い』と言わしめたい。
カッコ良いけど落ち着かないとか、何か違う、
そういう否定的な言葉を聞きたくはないし、
5年後、10年後に訪ねても楽しそうに
住まわれている光景を願い、設計に取り組む。