次への芽

人の目には真冬そのものの森の中、
けれど目を凝らして眺めてみれば、
木々の枝先には若い色が着いている。


既に丹念に織り込まれた葉が準備され、
水と暖かさを、もう待っている。


雪は白いのだけれど、場所によっては
種が落ちている。
秋ではなく、冬のこの時期に落とすのか。
しかも幾種もあるようだ。


プロペラタイプの種もある。
ネズミ・・・の目線ならどれも御馳走?
種子の実の部分や新芽は美味しいかも
しれない。


薄い新雪が重なった事もあり、落ちた種が
浮き沈みしつつ雪原に広がる。






乾いた冷たい風だからか、妙に鋭利になびく。
案外、眺めるとその鋭さの重なりは興味を惹く。


雪原から伸びる、こういうのも好きだ。


夏は唯の草原なのに、何かを隠して眺めると、
何かしらの摂理が隠されえているのだろう。


     

と言う事で、最後は狐の足跡。
ネズミが狙われるのだろう。
冬の方が生命の営みを強く意識できる、
のかもしれない。