集める。


池の周囲には散策路があり街灯がある。
背の高い木が一本、街灯よりも池側にあり、
対面から眺めると、光を背にして神々しい。
風の無い夜、水盤が鏡面となる時に撮って
みたいと思いつつ、散歩の時は眺めていた。
花火は毎年の事、どこで打ち上げるかは
把握していたので、地図を眺めると、
この場所から見えるものがあるだろうと
想像は出来ていた。


いつも眺める風景に花火を添える。


なかなか、興味深い。が、直前の人混みを
眺めると出掛けるのは億劫になってしまう。
のだけれど、月が丸いのは知っていて、
スマホアプリで位置を確認してみると、
この構図に入って来そうに思われた。


集めてみるか?


流石に手持ちで撮れるとは思われず、
重い腰を上げ、しかも三脚を持ち出したのが、
最初の花火を屋上で眺めてからであった。
もう少し、事前に位置を確認していたなら、
或いは絶妙な配置を得られたのかもしれない。
画家なら、各々を自身の思う構図に納めるに
違いない。取り合えず、集められたので、
それはとても嬉しい。


満月の月、花火、いつもの公園の池の風景。


帰り道、公園にある天文台では天体観測が
行われていた。花火に合わせての開催。
キタラの前には6台だろうか、天体望遠鏡
設置されていて市民に開放されていた。
花火帰りの序にと長蛇の列であった。
月は明るいし観測には不向きだろうけれど、
月の横には火星の赤い点がはっきりと見えるし、
今は土星も見えるらしい。
望遠鏡を初めて覗く子供達も少なくないはず、
花火以上の驚きと感動、不思議を経験したに
違いない。


土星なら輪が見え、木星含め衛星が見えるはず。
火星はどの様に見えるのだろう?
今も月の近所に赤い点(火星)が輝いている。






花火は結局、ここ数年は毎年楽しみにしている。
毎年、撮った成果をブログに載せていた。
花火と言うよりも、空に展開出来る様に興味を
覚える。刹那であるけれど、光が空の間を占め、
空間を知らせてくれる感覚はとても面白い。