仕組


夏は様々が茂り絡まり、どれが何かの判別は
難しいけれど、近くに豆の房があったので、
これはきっと、その豆のツルの先端だろう。


ただ伸びるツルに、葉が均等に取り付く。
その先端はまるで、引っ掛け針の様相。
・・・それにしても変な葉。
これをどこかに引っ掛け身を固定させて、
そこを足場に更に伸びるつもりか?


朝はまだ昨晩の雨露が残り湿っていて、
針には数滴の雫が滴り、綺麗だった。







あれこれ考え事をしながらの散策、ふと、
何かに気付き、留まり、腰を屈め眺め、
いつしか観察し、あれこれが見えて来る。
気付いたのは植物の工夫された仕組。
あれこれと勝手に想像を膨らませた。
順を追って正しく観察すれば、もっと多く
様々な発見に出会えるに違いない。


豆には先に育ち足掛かりとなる植物が必要、
その植物は後発、春に先出るものがあり、
絡み合うにも順があり、成長も仕組まれる。


無駄なくどの一つにも明快な理由のある様、
仕組のどれもが大切な秘密らしく興味を覚え、
その全てを知りたくなってしまう、目の前で
繰り広げられる複雑に絡まった夏を解く一枚。