はやぶさ

「7年前に旅立ち、3年掛けてイトカワにたどり着き、石は拾えなかったけれど
 砂を拾ったかもしれない。それから4年掛けて流れ星になって帰ってくるそうだ。」

子が尋ねるので知っている限りを答える。”イトカワ”ではなく”アンドロメダ
なんかであれば宇宙らしく響き、カッコよく聞こえただろうにとは思う。





4年前の同じ頃ディープインパクトなるNASAの調査衛星は彗星に弾丸を撃ち込み、
飛散する様を観察するという合理的かつ華やかな方法で活躍した。対してはやぶさ
サンプルリターン。”持ち帰る”という几帳面さに日本人らしさがあるように思う。
この4年は故障と復帰が交互に何度かニュースになり伝わっていた。プロジェクトに
携わった方々、その成果は誇りとなるのだろうな。


  





しかしながらその凄さ、自分のスケールでは計れない。片道3億キロ!とはどれほど
遠いのだろうか?・・・試してみた。
地球の半径が6000キロとすれば直径は約4万キロ。車で10万キロ走破すれば見事な数字。
これは地球2周半となる。この10万キロの3000倍!地球を7500周すると3億キロ・・・
ちなみに光が1秒間に30万キロ進むとすると1000秒、約15分半を要することになる。


イトカワの直径540mとは、北海道の開拓期の区画(中区画:300間=540m)に等しい。
札幌なら道庁の敷地が4つ分。近似しそうな規模ならば、円山動物園中島公園、又は
札幌ドームが3つ分くらいだろうか。
車を10万キロ限界として3000台も乗り継ぎ、地球を7500周してようやく円山動物園にたどり
着き、石なり砂なりを拾い、あちこち故障しつつ、交換も修理も出来ないので工夫して帰る。
・ ・ ・ 途方もない。




最後に地球の写真を送ってきているらしい。そして流れ星となって華麗に散って魅せた。


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