考古 〜道南より〜

      
     【国指定重要文化財 遮光器土偶 亀ヶ岡遺跡 縄文晩期】

市立函館博物館にて催されていた”縄文の至宝”展にてスケッチ。
”口”が可愛らしかった。ぐっと噛み締めたような口が。ん?鼻か?
イヤイヤきっと口だ。口というより噛み締めた下唇だ、たぶん・・・


南茅部の中空土偶はデフォルメがなされているものの実にリアルだ。
この土偶はどちらかと言えばデザインが成されているような気がする。
単純造詣化されたものも少なくない。土偶とは言っても様々なようだ。
謂れも知らず突然出会い、出会い頭にスケッチをしてみたのだけれど、
どうみてもその姿は宇宙人だよなー。



      
        【史跡ピリカ遺跡/ピリカ旧石器文化館 尖頭器】

北海道開拓記念館の学芸員Y氏にお話を伺った素材に拘った石器文化、
石器の材料となる黒曜石を求めて大陸から北海道に渡り白滝産と出会い
花開いた石刃鏃文化の石器を知って以来、特に石器に興味を覚えている。
これは珪質頁岩による石器。今金はピリカのもの。両面加工のとても
大きく見事な石器だ。初めて見た時から惚れてしまう美しさだった。
2度目の挑戦でようやくスケッチに描き取る。カタチが実にイイ。




            【大船遺跡 再現された竪穴式住居】

大船は函館は南茅部にある。噴火湾の南端にあってそこは河川という
河川に遺跡が群集する縄文のメッカでもある。中でも大船は多くの住居
跡が発掘されている。建築行為とは地面を穿つこと、という考えもある。
柱や葺材は腐り消えて無くなってしまうけれど、穿った穴は残される。
住居はそれを元に再現されている。新築の竪穴式住居などなかなか見る
ことはできない。実際、立派なものだった。夕暮れに一際美しい。
時間が経てば北黄金貝塚のもののようにより馴染んで行くのだろうか。


現代の住宅は電気やガスなど高密度なエネルギーにより維持され、
自然界には在りえない高度な性能を持つ素材から出来上がっている。
その意味ではこれらは反対側、まるで自然の一部であるかのようだ。
風景との納まりは抜群に良い。実際、住めそうかな?とも思える。
シャワーもトイレもないけれど。衣は良くわからないけれど、食住が
見えてくるとより想像が強くできる。石器は数万年、この住居は
数千年を経る一つの完成形、学ぶことは少なくないハズ。