フクロクストーブ

先日、DOMA/Bookshelfのストーブのお話を書いた。
ストーブ、国内ではそれほど古くからあるものでもないらしい。


1856年に函館ではじめて製造されたストーブは英国船のストーブを
手本としていたという。明治30年頃になって都市部から普及が始まり、
やがて薪に代わり安価な石炭ストーブへと発展したようだ。


時々通う北海道開拓期念館は開拓期の展示も充実している。普段は
一階の始めにある石器を眺めて過ごしてしまうことが多いのだけれど、
2階にあるストーブのコーナーはかなりお気に入りでもある。


そこに展示される”フクロクストーブ”のスケッチをしたので案内したい。




     


フクロクストーブとは札幌は白石で大正14年(1925年)に製造が始まる。
このスケッチは、その第1号。おそらく上には蓋があったのではないかと
思う。貯炭式と言われるもので、胴体部分に石炭を貯めることができ、
長時間、効率よく燃焼される優れものであったらしい。瞬く間に一般家庭に
普及した代物だそうだ。元はドイツ製の貯炭式を模したらしい。




      


これはフクロクストーブの第3号。カタチが随分洗練されている。鋳物の塊、
重量感は正に機関車を思わせる迫力がある。熱を伝えるためなのか、放熱
用と思われるフィンが取り付き、如何にも機械的なデザインがカッコ良い。




ストーブ、最近は住宅の中から消えてしまった。普段は電気若しくはガスを使い、
パネルヒーターのみならず、様々な熱源、方法による床暖房などを計画している。


けれど、こんなストーブが常用すべき暖房器具ならば、かなり魅力的な設計と
なるに違いない。ただし、火を見て楽しむなら、やはり薪になるのだろうか。


ストーブについては、北海道デジタル図鑑に詳しく書かれていた。
http://www.hokkaido-jin.jp/zukan/story/03/18.html