土星

    

春の星座の中に土星が見えている。そろそろ、夜の早い頃に沈むかも
しれない。月が満ちるまでは容易に見つけられそう。


北の空を見上げ、まず北斗七星を探す。このヒシャク星の柄の部分から
アルクトゥールスとスピカを結ぶ天空の大きな曲線を「春の大曲線」と呼ぶ。
この2つの明るい星とテネボラを結ぶ三角形が「春の大三角形」、らしい。


土星はスピカとテネボラを結ぶ一辺の中にある。とても明るく輝いている。
夜空に星が見えるなら、どれも直ぐに分かる、とても分かりやすい星々だ。






          
 

青少年科学館で企画された中島公園にある展望台での観測会を訪ねる。
少し前のことなのだけれど。公園は適度に暗く、思いのほか星が良く見える。
初めて、天文台で望遠鏡を覗く機会となった。実に素晴らしい体験だった。


真っ暗な中で望遠鏡を覗くと、正に思い描く通りの輪のある「土星」が、部屋を
暗くしてスライド写真を眺めるかのように鮮明に観ることができた。とても印象
的で美しい。他の天体を眺めるとは、何と不思議な経験だろうか。


土星には大小60程の衛星がある。生命がいるかもしれないというエンケラドスは
小さく見えないけれど、レアとタイタンが確認できた。ガリレオはあれを見つけて
地動説を唱えることになったのだ。輪のみならず、衛星も見える。




写真、天文台の大きな望遠鏡の先に輝くのが土星だ。手ぶれ写真だけれど。
天体は1時間に15度も傾き動く。この後、土星は木の葉に隠れてしまった。





boolshelfのクライアントに、何かのメールの際に土星の事を伝える。秘蔵の
双眼鏡”SWAROVSKI”を使い、家族総出で天体観測をしたとメールが届く。
輪は、「見える、と思ってみれば見える感じ。」らしい。






夏の星座が見え始めている。天体観測会で最後に見せて頂いたのは、七夕の
おりひめ星、琴座の”ベガ”。光の速さで25年の距離にある。例えるなら太陽とは
同じ町内会の2軒隣様、と言った感じだろうか。青く美しく輝いていた。