建具  ■BUTSUGWANJI vol.9

「建具工事」は「家具工事」や「金物工事」に次いでとても高価な工事だ。


窓はつい多くなってしまうけれど、プランを検討し、ドア類は減らす工夫も
している。既製建具ではなかなか行き届かないもの、製作の機会は徹底
したい。至る所に創意の余地のある、実に面白い工事だと思う。






お寺の現場、大きな住宅ほどの規模なのだけれど、防火設備となる鋼製
建具の他には木製建具が2本しかない。もともとは3本あったのだけれど、
工事進行の過程で更に整理してしまった。建具屋さんにとっては、面白く
ない現場だろうか ・ ・ ・ だって、この規模で2本だけだものね。


この2本の建具とはドアと収納扉。どちらも壁の一部であるかのように設え
ている配慮の欠かせない重要な建具だ。建具屋さんには骨を折って頂く。


          


悩んだのはドアの取手。自由に出入する場所ではなく、扉の存在感は消し
ている。金物が付けば目立ち、DOMA/道南の家で使ったスリットを切る
方法では少し業々しい。考えたのが指2本が掛かる小さな穴。FIXパネルと
併用するので、掘り込みの具合は調整が可能、デザインの余地は多い。


先ずはこのようなスケッチを描いて建具屋へ送り、検討を始めた。最終
的には納まりを考慮し、もう少し現実的で整理したカタチで納めている。