海   S-Houseその後 ■S-house vol.30



所要があり室蘭を訪ねる。訪ねた時は決まって海に行くイタンキ浜の
クジラ半島の東側、人の居ない海。道路縁に広がるのだけれど、そこは
太平洋、砂浜に降り立つと波音で外界から完全に切り離される。


湿度は高く波上は白く霞んでいる。タイミングよく青空が覗いてくれた。





翌日訪ねたのは、ここも好みの登別のとある海。干潮の時には磯遊びも
できる、砂浜もある小さな入江はプライベートビーチのよう。前日とは異なる
荒海の太平洋、入るのは躊躇われた。ただ波を眺めるだけでも飽きない。












昨晩は、S-Houseのクライアントと夜中に2時間くらい電話で話していた。
毎日のように現場に通い、既に引越を済ませ新たな生活が始まるものの、
まだ、「自分の家?」と半信半疑の時もあるのだとか。


庭には芝をはり、ベンチを置き、引越し荷物を解きながらあれこれ整えて
いる様子、庭が整う頃には生活スタイルも落ち着きカタチとなるのだろう。


共通したのは「燃え尽きた感」だろうか。


設計を終えると、緊張がスッと解けるのを感じる。クライアントも同じく
一つの到達点に辿り着いたと緊張が解けたらしい。新しい生活を築くべく
忙しくはさせられるとしても。私も気を抜ける状況にはないけれど。










引渡しの後に海を見る機会、良い気分転換ができた。
いつ眺めても、心を新たにすることの出来る場所だ。