視点を変えて。

先日の手稲山の眺望は印象的だった。札幌ほどの都市も、
大地に比べると僅かな段差しかないレゴブロックのよう。
あの眺望を体験して、このCGを思い出した。


北見市での中心市街地活性化事業提案の際に市街地を
立体化したもの。ヴォリューム検証のために建物はグレー
にしている。実際もこのような印象なのかもしれない。


このモデルは、ある温めていたアイディアの検証に使う。
大きなスケールから眺めるというのは、効率的な視点変換
だと思う。アイディアの検証ではもう一つ、観察の対象を
確かめることも行っている。例えば・・・


地図は建物が対象として描かれている。つまり「在る」もの、
ものとして実存するものが表記される。




人が居るのは「無い」側、空間の方だ。これに注視して
観察することも出来る。ネガ・ポジ反転の見方は面白い。


建築や空間のデザインは実際、「在る」ものの方に偏る
傾向がある。けれど「無い」ものの方、つまり「空間」
を観察しようとすれば、このような反転作業はとても有効。




建築で試してみよう。壁、床、天井で建築は構成される。
作る対象がそれらであることは間違いない。





反転して観察すると壁、床、天井で作られた「空間」が浮き
上がって見えてくる。この視点でデザインに取組むのなら、
素直に「空間」そのものを扱うことが出来るだろう。





先日の眺望は、そんな観察手法を具体的に俯瞰してしまう
不思議なものだった。ふと、先の街並みCGを思い出したので、
視点の変換として紹介してみたい。






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