光、大きさ、質感・・・その4

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以前に書いたこの記事はスケール感の事。

大きさへの感覚というのは、とても不思議なもの。
ものには、まるで『適切な大きさ』が在るかのよう。
これは多分に、人間の身体に関わるものと思う。


椅子やテーブルの高さのような実際に触れるものは
もちろん、囲われる時の空間にも適切があると思う。
建築を外から見ても、馴染みの良い大きさもあれば、
威圧的で人が小さく見えてしまうものも在る。


機能のない芸術で、立体的なものである”彫刻”は、
時にとても参考となる面白さを発見できる。
好きなアルテピアッツア美唄の彫刻はお気に入りです。
一度計測に行き図面にした事がある。リンクはその時
考えてた事、気付いた事を記している。


同じ形状のものでも、目的は場所によっては、
その大きさが適切かどうかを問えるように思う。
大きさそのものが、表現となれると言うことだろうか。



『bookshelf』のLDKの空間はとても気に入っている。
先日訪ねた際も、変わらぬ印象があり安心する。


この住宅は比較的大きな空間がある。
全体を見通せる長く大きなドマ空間、天井を
ぐっと低く囲わる感覚を強めたダイニング、
やや広く天井の高くなるリビングスペースと、
個々のスペースに必要な空間を設えている。
大きな窓の向こうにはウッドデッキがあり、
庭へと広がりへと連続する一体的な空間構成、
仕切ることはないけれど、適切な分節を施し、
時折にあわせて居場所を探せるように考えた。


非常に大きな空間へと連続するにも関わらず、
ダイニングスペースの心地良さは椅子の良さ
だけではないだろうと思う。


写真はスライド会を催した際の風景。
多くの方を招いての非日常となる室内ですが、
大中小、様々な空間を組み合わせた室内は、
実際の長さという距離感もあり許容量は大きい。
スライド会の後はそちこちで話が盛り上がる。
想定はしていたものの、実際に目の当たりに
する事が出来てた、建築空間の可能性を
実感する嬉しい一シーン。