椅子、その2


左手間はバルセロナ・チェア、その奥にある、
椅子のようなソファのような、この椅子も好き。
コルビュジェとシャルロット・ペリアンの共作
シェーズ・ロング(LC4)、これもしばしば
パースに登場させている。


不思議な形をした代物で、どう使って良いのか
分らないものの有名で、しかも美しく見える。
学生時代には興味の対象だった。


ソファーは数人で寛げる。ただ、自分専用の
場所があって良い。一人掛けと考えると、
このようなタイプはうってつけであると思う。
角度を緩く横になれば、きっと動けなくなる。



パリを訪ねた際に行ったのはラ・ロッシュ邸。
市内で住宅を見られる場所はそうはなく、
ここは一般公開されているので、今も見る
事が出来る。コルビュジェの有名な住宅、
サヴォワ邸は近郊の町に在る。


写真も撮ったのだけれど、この旅はスケッチが
主体で、あまり丁寧には描いていないけれど、
一枚を載せてみる。
ここにはシェーズ・ロングが一脚置かれていた。


やや人目はあったものの、勇気を持っていざ!
自分が初めて横になったのはジャンヌレ邸に
あるこのシェーズロングであった。


通路にあるので、予定の設置場所かどうかは
不明なれど、座り目を閉じると、瞼越しに
陽射しを感じつつ、すーと椅子に吸い込まれて
行くのが分った。えも言われぬ心地。
人目憚らず椅子に融けて行くのを実感出来る。


ちなみに、翌日はサヴォワ邸でも座っている。


座りながら描いた、微妙な一枚も載せる。


流石はパリ、撮った写真はヌーベルバーグの
映画の一シーンのよう。ポール・ベルモンド
登場しそうな雰囲気でした。




パリに最後に行ったのは15年くらい前なので、
何れも思い出話ですが、書きたくなり記す。