竣工写真 その2 【DOMA/NATORI】

これも建築写真家に撮って頂いた、内観の一枚。
低い天井のダイニング、その奥はキッチン。
右手のドマは長く伸びて更に奥にある造作浴室、
トイレ、洗面へと繋がり、スケルトンの階段は
3つのスペースある上階へと連続する一体空間。


このダイニングはこの家の中心にあるオープンな
空間。けれどこの落ち着きは創る事ができた。
決め手は天井の低さだろうか。


天井の高さは、そのスペース毎に適切がある。
どういう空間にしたいのか?これが定まると、
自ずと広さや天井の高さも想像が可能になる。


そもそもオープンな一体的な住宅空間の中で、
ここはその中心にあり、ともすると放散して
散漫な空間になるおそれがあった。
これを低い天井で抑え、むしろ囲われるような
緊密感のあるスペースとし、家族の団欒の場を
築きたいと考えた。


緊密さを創る為に囲い込み狭くする必要はなく、
他のスペースとの違いから創ることもできる。
右手のドマは吹抜空間、写真手前は天井の高さ
2900mmのリビングスペース。このダイニングは
天井高さ2150mmの、一般的には余り使われない
非常に低い天井の空間。これが連続すると、
メリハリが出てくる。
高いところはより高く、低いところはより低く。


実は2150mmの天井高さは実生活では何も
困ることがない。閉鎖した個室でなら圧迫感を
防ぐ事は難しくとも、様々が組み合わされた
空間でなら、これが落ち着きを生み、
団欒の場に相応しい緊密さを創ることも出来る。


空間の妙、にじり口効果、若しくは、
ドラえもんガリバートンネル効果だろうか。


手を伸ばせば届いてしまう天井の高さ、
実は囲まれているという安心感も導きます。
安心できるのに、狭さはない!という空間。


個人的にはダイニングのペンダントはもっと
低く設置したいところではありますが。



竣工時は家具はなく、生活感はまるでない。
ダイニングはリビングと隣接し、ドマが結ぶ。
リビングからは透けて二階が見えています。