【 Moai in ny Story vol.2 】 事前調査、『敷地』。

設計を始める前には事前調査をする。確認するのは『要望』『予算』『敷地』、大きくはこのような具合。


『予算』については、事前に銀行等に相談頂く必要がある。具体的には計画案が出来た時に審査を受ける事となる。
調査について、ここでは『敷地』についてを記す。


■公図
建築するには敷地を特定しなければならない。敷地を正確に知るには『公図』が有効だ。
法務局に行けば誰でも写し(コピー)を取ることが出来る。公図とは地名地番、敷地図面、寸法等の
必要事項が記載された公的資料、これがあれば正確な敷地図を描くことが出来る。


敷地の登記が古い場合、公図の記載寸法がメートルではなく、”間”と言う事も間々在る。1間=1818mmなのだけれど、
かなり怪しい場合がある。実施、お隣との境界線が、お隣と思われていた敷地に食い込んでいる!というこも在り得ます。
改めて測量が必要になれば費用も発生するので、確認は大変重要です。


■役所調査
敷地が特定できると、次に用途地域や条例等を調べることになる。これは役所にて調査をする。
用途地域とは住居系、商業系、工業系など地域により用途の区分がなされ、各種の制限が設けられている。
防火・準防火の制限外壁後退距離の設定、建ぺい率・容積率(敷地の大きさに対する建築規模の制限)、
その他、風致地区地区計画など条例等も含め、敷地には様々な条件が設けられている。


敷地内であれば何処に何を自由に建築して良いわけではなく、街並みや景観、環境、安全、防火等都市規模での制約を受け、
その中で建築を考える必要がある。それら条件を満たす事で初めて、建築する事が出来る。
ということで、もれなく諸条件を調査することも事前調査では欠かせない。
ちなみに建築がこれらに適合するか否かは後に行う『確認申請』にて審査される。


■地盤調査
最後にもう一つは地盤の調査。建築規模に応じて調査の方法は種々あるものの、地盤が良いのか緩いのかを実際に調査をする。
住宅の場合は一般にスウェーデン式の試験を行うことになるだろう。費用数万円程度の調査となる。
基本は建築位置での試験なので、プランも無いもないこの時点では未だ調査は出来ない。
よって先ずは、隣地周辺の過去情報を集め、敷地の状況を推測することとなる。


敷地に建築を支えるだけ十分な堅牢さが無い場合は杭を打つなど対応が出来るのだけれど、
そのための費用をこの時点で想定しておく事は、今後の計画においてはとても重要となる。




ここまでが、やや大雑把ですが、設計を始める前に集める敷地情報。地道な調査が欠かせない。
ちなみに【 MoAi in ny 】では帯広市役所を訪ねました。最上階の食堂で昼食を頂いたりもした。
応対は丁寧で相談もさせて頂いたし、印象の良い市役所でした。