【 Moai in ny Story vol.12 】 実施前準備


実は、実施設計に入る前に準備をしていた。その一つが外壁ディテールの確認。
ある板金メーカーを呼んで確認し、1分の1・・・つまり原寸で検討をしていた。
後に現場に乗り込む際に参考とした原案でもある。
実施設計スタート時にここからスタートすると時間を要してしまうので、
先んじて理解をしておき、描きだす時に迷わず線が引けるようにと考えて。



そして彼だ。


実施設計GOサインを頂く前の事、クライアント御夫妻に相談し、想いのあるものをお借りした。
直にお借りしたのは初めての事、少しやり過ぎだったかもしれないのだけれど、甲斐はあったかも。
少なくともこのモアイは印象的で、お借りして失敗したか?と思うほどの存在感があり、でも、
気付けばアトリエにいつもモアイ。振り向けばモアイ。何故そこにモアイが居るのか?不思議。


やってきた彼は平然と朝陽差し込むアトリエに違和感もなく佇み、何時しかそれが日常となり、
居ない今が不自然に感じられる程であり、引渡しの際に連れ去ろうと思ったのはかなり本気です。


当時のメールを読み返すと悲壮感は強く、怖い。クライアントはもちろん私も良く耐えたとも思う。
27坪の二世帯住宅は、質を備えつつコストパフォーマンスを求めるローコスト仕様、
スタートすれば減額代の無いギリギリを模索しなければならない。
技術的な事と気持ちの事、着工を見据え、前向きに集中を切らさずにこの準備期間を経る。


次回から『実施設計編』がスタートとする!・・・今だから書けるのだと思う。