【 Moai in ny Story vol.13 】 実施設計スタート。

【 MoAi in ny 】・・・27坪の二世帯住宅を極めてローコストで設計をする。
ローコストとは「安価」という意味ではなく、低コストで「質」を求める建築と考えいる。
二世帯住宅となれば水廻りを共有しても様々な設えが必要となり、
思い切ったオープン構成として設えを少なく設計する事は出来ない。
概算の数字を考えると、より無駄なく相当の仕様を求めなければと覚悟する。


先ずはスケジュール。工務店にとって予定の組み易い春一の着工を想定して逆算する。
見積調整は難航必至、1月中に見積依頼が出来るよう実施設計期間を設定した。


実施設計は計画の見直しからスタートとなる。最も懸念したのはスキップフロアー構成。
手間を要すると施工者が考えればコストに反映されるもの、躯体の工事を出来るだけ
軽減させつつも当初描いた「楽しさ」を失わない空間を再検討、計画しなければ。


敷地と建築規模、これは計画の時に様々を試していたのでスケール感覚は既に出来ていた。
目標としたのは空間ヴォリュームのバランスの良い配置、その鍵を握る階段の納まり、
シンプルな構造軸組との整合、これを考えつつ建築パターンを集める。
写真は比較検討図とでも言えるかな。



良いと思えるプランは精度を上げ、断面も合わせて検討をすすめる。
半地下とLOFTを組合せ建物長さをいかせば、映える空間が見えてきそう。
スキップさせずに適度な変化を与え、二世帯を区分し、水廻りの中立に共有出来、
無駄のないシンプルな構造に納まる建築を探す。


作業は『計画』の内容に近いものの、コストもスケジュールも想定して進める事もあり、
提案ではなく、より実践的。予算に納まる設計が出来なければ実現できないのだから必死。
楽観はしないものの、この時の緊張感は心地よく、最良を求め集中を切らさずに取り組む。