【 Moai in ny Story vol.15 】 実施設計打合の時のスケッチを少々。

『計画』の設計は規模策定が主でもあり、平面の確認を頂く事が多いだろうか。
対して『実施設計』ではより綿密に、造るもの全てを図面に記す事になるので、
検討・確認頂く事が一気に増えて行く。様々がリアルに想像される瞬間ではと思う。


打合せの図面は『計画』の際は1/100スケールで全体を、『実施設計』では1/50スケール。
細かなところまでを確認して行く事になる。


しかしながら、図面という平面のみではなかなか御理解を頂くまでは難しい印象がある。
ということで、必要なものは予め、多くは打合せの際にその場でちゃっちゃと絵を描く。
綺麗ではないかもしれないけれど、とにかく描きます。


【 MoAi in ny 】では理解の難しい一つが2階の水廻りを納めた塔。
上部はLOFTになっている。その手摺の形状をどうしようか?と相談するも、
スケッチを描いて初めて、これですか!とご理解頂けたと記憶する。


デスク状のものを回し、脚を投げ出して使えるようなスペースにしようか?
低い壁を巡らせ落ち着くようなスペースにしようか?の提案はどう使うかの相談。
子供が使うなら足投げ出しタイプ、大人が使うなら落ち着きあるタイプかな?


その塔の内部に納まる水廻りスペース、最初はこのスケッチのように考えていた。
平面図にて説明をさせて頂くものの、スケッチがあれば、より想像が容易になるのではと思う。
この後に各部の寸法を実際に確かめてみたり、様々に確認、検討をする事になる。
ここは収納も多く確保できるので、何を収納するのか?も含め、勝手も重要となっていた。


洗面器はどのメーカーのどの製品を使うのか?洗濯機はどのようなものを選ばれるのか?
ドラム式なら大きく考慮も必要、合わせて寸法を確かめて行く。
収納は何を納めるのか?内容に合わせて考える。掃除機はどこに置こうか、棚は可動式にしようか?
様々が検討事項になるのだけれど、ここを見事に仕留める事が出来れば、後の生活の大きな支えになる。


このスペースは実施中、そして施工期間中も大いに悩んで頂き、果たして今はどうなっているだろう?
検討が十分であれば見事になっているはず、不十分なら・・・次に行く時を楽しみにしたい。


これは玄関のスケッチ。デザインも様々考えていたけれど、最終的には予算に合わせて整理する。
この時はどのようなスペースとなるのかを御理解頂くのがまず肝心な事、ついでそのスペースの大きさ、
必要な収納の量など、確認して行く。


実際は広くはないスペースなのでこのように見通せる場所はないのだけれど、
便利で都合よく描く事で、実際には見る事の出来ない姿から、全体を案内したり。


クライアントはここに到達するまでに時間を要していた事もあり、その間に様々を想像し、
要望を多く携えていて下さった。
何も言わずに了承される方もあるのだけれど、この時は様々をお聞きして置きたい事もあり、
活発な打合せが出来たように思う。


実施設計はクラアントとの意思疎通を確かにする事も重要、欠かせない事と思う。
調査の際に見せて頂いた自宅の様子も踏まえ、私も実際に住む事をイメージしつつお話し、
実施図面の完成とは、私自身も住まえると思えるだけ十分になった時だと思う。