【 Moai in ny Story vol.23 】 着工。

2015年5月末、着工となる!
ちょうど地鎮祭のタイミング、更な状態の敷地にて次の二つの事に取り掛かる。
『 地縄 』 の確認と 『 レベル 』 の決定。
地縄とは、縄(紐等)を使い建築位置を敷地に示し、建築の平面形状や配置位置を確認頂く。
レベルとは設計時に設定したGL(グランドレベル)±0を決定する。


平らな敷地でも若干の高低差はあり、どの高さをGL±0と設定するのか?実は悩む時もある。以後はこれを基準に工事が進むことになる。
地縄は初めて見る「実寸」であり、これがとても面白い。この日も、先ずは「この辺りが玄関です。」とクライアントと縄を踏み越え建築に入り、
左手に何のスペース、進んで右手は他のスペース、階段を登り2階とすれば、ここが何・・・という具合に実際に敷地で体感を試みる。
旗から見ればそれは、まるでママゴトの様に見えるに違いないのだけれど、至って真剣だ。


一枚面の写真は、そんなあれこれを話し込んでしまい、写真を撮る頃は既に日が暮れていた。ので、薄くらい写真になってしまった。


6月中に入る頃、『 配筋検査 』を行う。これは設計者の仕事、基礎の鉄筋の検査。
木造住宅の布基礎の場合、これが差の出るような工事ではないものの、けれど故に些細な事で印象が異なる事もある。
初めての施工者、工事において初めてその仕事に立ち会う機会は楽しみでもあり、不安でもある。
現場は整然として綺麗、仕事は丁寧で応対は良くまた理解も感じられ、良い施工者と出会えた事実を実感する。
互いに観察すると同時に観察もされているものと思う。設計者と施工者、序盤は「どういう人なのか?」理解に努めることにもなる。


と言う事で、本当に着工出来るとは夢のようなのだけれど、始まった以上は全力で走り出さねばならない。
配筋を眺めると、基礎は本当にシンプルで、こんなに簡単で良いのか?と思う程だった。