停電後3夜 その1

ノンフィクションでなら現実味の無い話だろう、
北海道全域停電、震度7地震から3夜を経た。
今の自分の環境は既に平常の如く。
けれど、地域によってはまだ電気や水道が
途絶えたまま、激震の地では救助活動の最中。
けれど、囚われ自分が動けなくなるのは無意味、
としても心はザワつき妙な緊張が解けずに居て、
はやく平常を取り戻すべく・・・撮り溜めた
3日間の写真を整理した。
後にすれば億劫だろうし、整理すれば落ち着け
るのではと思い立ち、過ごしてしまった朝。



定例を予定していた日の前日は台風であった。
夜更けに強烈な暴風雨、建物のあちこちから
軋み音や風に打たれ鳴る窓、落ち着かない夜。
午前2時過ぎ、妙に大きな音がし、見渡すも
何事も発見できず、ふと窓の外を眺めると、
シャッターの方立が道路に・・・
2連のシャッター、風は強く受け、中間の
方立材が耐え切れずに飛んでしまったらしい。


何事かと車庫を見に行き、惨状を見て、
見なかった事にしようと本気で考えた。


が、そんな分けにも行かないので、風雨に
曝されつつ小一時間、夜中に復旧作業をする。
飛んだ方立は歪んでいて、納まらない。
工具で取り敢えず歪みを除く。
で、シャッター。無理やり剥がされたので、
スラットがことごとくズレていて上がらない。
仕組を理解して一枚一枚を押し引きし納め、
何とか閉じる事が出来た。重しを用意し、
吹かれても押されないようにだけはしたものの、
朝まで眠れなかった・・・


と言う日の夜は雷が鳴り響いていた。
これだけ響くのなら稲妻を撮るチャンスかな?
と思い立ち、初めて稲妻を撮った。
それが一枚目の写真。
既に遠くだったので、広角レンズでは小さく、
望遠側のレンズが必要だったみたい。
写真はトリミングしたもの。
本当に稲妻は稲妻であった。




そして、その夜の更けた頃に地震に襲われる。
定例を前に決め事のための資料製作に追われ、
一式を整理した後、追加の資料もと取り組み
始めた午前3時過ぎだった。