停電後3夜 その2

6日早朝、地震は激震で且つ長かった。
身の危険を感じる程に強かったものの、
一度浮いた腰を再び下げる判断は一瞬で、
揺れを知るべく神経を尖らせていた。


直下なのか横揺れなのか?


直下の激震なら覚悟が必要、横揺れなら
震源は遠く余裕がるだろうと直感しつつ、
その揺れが斜めな印象を受けた時に、
スマホのアラートが鳴り響いた。
震源は近いらしい。


揺れに慣れるのを待って窓ガラスから離れ、
壁の多い場所に避ける。ガラスは割れれば
危険だし、壁の多い場所は構造上は固く、
崩れる事態ならより安全側にある。慌てて
駆け出しても揺れていれば転んで怪我する
可能性はある。


揺れが収まると、先ずは出入り口の確保、
ついでテレビを付け、ネットで震源と規模の
確認を済ます。


しばし様子を伺いつつ過ごしていると、
街灯が消えた。停電が起こっていた。
何れここも停電になるかもしれないと考え、
先ずは電灯を集め、スマホや筆記具、靴を
揃え、この時は在った菓子類含めカバンに
用意し、カメラを手に取っていた。


すると、停電。


窓外を眺めると、どこまでも暗い。
広域で停電が発生していると確認出来た。



三脚を持ち出し屋上に上り、撮った一枚目。
暗い森でカメラを構えるのに似ていて、
ファインダーを除いても何も見えなかった。
デジタルカメラは明るく写るので、とりあえず
シャッターを切る。

ここより西側、電車通りの交差点なのだけれど、
真暗闇、車のライトが眩しい。この直後に
交通量が増えだした。誰が何の目的で走って
いたのだろう?



ここより南側、真駒内方面を撮る。月夜だ。
実は、停電なら星夜が見えると直感があった。
薄い月があり、雲間にオリオン座が見えた。
オリオン・・・冬が近いと知る。


しかし、それにしても暗い。停電直後に見える
灯りは車のライト以外ではマンションの階段の
非常用照明だった。妙に煌々と灯る。
電池式なので停電時でも非難に必要な時間を
稼ぐ事ができる、その明かりが街に強く灯る。



いつもは明るく邪魔だと感じるコンビニが暗い。



ノイズが載る程度、PCで明るく補正をしてみた。
車のライトが実に明るい。



明け方、実際にはまだ暗闇なのだけれど。