この暑さ   【 DOMA / bookshelf 】


Bookshelf は長手方向、南側全長に土間がある。どこからでも
自由に庭に出入り出来る。リビングの前には横5.4m×高さ3.8mの連窓が
あり、開放感は抜群だ。しかし日射には注意して設計をしている。軒の出は
大きい。冬至の南中時はダイニングテーブルまで日が差し込むけれど、
夏至では土間までしか入らぬよう計画している。


昨今のこの暑さ、日射を室内に取り込んでしまっては更なる室温上昇は避け
られない。配置は南東向き、朝日は入れるけれど西日はカットするように計画
している。


   
南傾斜の大屋根が特徴でもある。エンガワ的な土間空間はどこからでも庭へ
出られるという意味で外が室内に入り込んでいるイメージと言った方が正しいと
思う。日射熱の蓄熱効果の他、床暖房が施され、また居室は一段高く重い
冷気は入り込み難くなっている。夏場は土間で光がうつろい、主たる居室は
ちょうど木陰に隠れる様でもある。大屋根の形状が換気を良く促し、土間の
吹抜けを伝って僅かな温度差によっても自然とパッシブな換気が行われる。


最も、どう使い、住みこなすのか?は住まう人に依る。この暑さ、ここまで気温が
上がってしまっては如何ともし難い。今のとことろ、上手く工夫され比較的快適に
生活されている様子、「暑い!」というメールは届いていない。激しい運動などを
しなければやり過ごせますよ、と。


建替え前、ここはうっそうとした森のような場所だった。Bookshelfが建ち上がりもう
数年が経過している。新しい庭は年々茂り、アプローチ横の藤棚などは活況な
様子でもある。南側、土間から空気を取り入れてもこの庭からの風なら清涼感に
溢れているのだろうな、と少し羨ましい。

       

以前、クライアントから頂いた藤棚の様子。見事だなと思う。