今日は暖かかった。


暖かい!思わず自転車を走らせる。水源池まで。


夕陽の影は長い。
橋の上は別として、森は線を引いたように雪が残る。
軽装で来てしまった。これより先には立ち入れず。


池の周りを眺めたけれど、水場は良い景色。
淀む春の水と残る氷、立ち尽す草。
多くが白く濁り、影の濃さだけが際立つ。


未だ葉の付かない森の木々の枝が水盤に映える。
色づいているのは夕陽だからだろうか。


全ての季節の痕跡を堆積させる春の森、
正直を言えば綺麗ではない。いや、きたない。
空気は乾燥し、肌に冷たい。


潤うのは雪解けの水が染み込むどろどろの地面。
松の種や葉の隙間から、雪は僅かに白く輝いてみせる。
自分にも、何かしら新しさを感じさてくれる光景。