窓 

これは随分昔に作ったものなのだけれど、
専門的な雰囲気もあるので、でもあえて、
ブログにて引っ張り出して紹介してみよう。


図面にすれば、何が違うのかは微妙なもの、
けれど、実際にはどの窓も意味は違います。
色々あるのか?と、感じて頂ければなーと。




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一般的、標準的には、窓はこうではないでしょうか。


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壁を照らすよう、こう設えるのは好きです。
ですが、監理で徹底しなければ小壁を入れられて
しまうことが多いでしょう。


標準的な間取りの家でこのような窓を設けると、
端に寄った窓?と妙な違和感があるかもしれません。
しかし、採光を意図すると欠かせない窓になります。


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その窓を天井にも接しさせました。
天井と壁を明るくする採光窓です。もちろん、
換気も効果的でしょう。ただ、眺望には適さないかも。


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床に接して設けてみました。天井に接しても、
床に接しても、一枚目の写真よりも、空間に
『抜け』が出来、伸びやかさが感じられるかも。


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天井付けの横長の窓は、採光上とても明るく見える窓。
主たる窓ではなく、他の窓と組み合わせて設けるなら、
知らずに効果を発揮させる高窓です。


こんな工夫、その効果は住んで初めて実感のできる、
そういう類の窓、光に違いありません。


設計段階でこんな窓を要望される方は少ないものと
思います。ですが、住まわれた後は私以上にこの窓を
良く知る人となり、色々教えて頂く事は数多し。


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天井から床までの窓。壁の一端を切り離す窓は、
一枚目と比べると、全く異なる窓になるでしょう。
平面上は同じような窓にしか見えないかもしれません。


窓が空間にもたらす開放感は別次元でしょうか。


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コーナーを窓とすると、空間は切り開かれ、
開放感を増します。


一枚目の窓は、どれほど大きくとも四隅の決まった、
ある閉ざされた室内です。実空間を超えるような、
『広がり』を求めることは不可能です。


けれど、空間を限定する角を取り払えると、
急に空間は『抜け』、『広がり』だします。もちろん、
適所に用いる工夫は欠かせません。


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CGパースなので、例えばこのような具合も、
製作してみることができます。ガッチリとあった角が、
バラバラになって見えます。


閉じた箱を如何に壊すか?解体と開放は似えている故に、
間違うと不安感を、適切なら開放感を考える事が出来ます。


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天窓は採光上、無条件に3倍の採光面積となります。
こう眺めると、最も閉鎖的にも見えるのですが、
実際、安定して明るすぎるくらいの窓もになります。


パースでは意図的に強い光を描いていますが、
天窓は、天窓には限らないのですが・・・窓は、
日射を入れるように施すと印象的に、
日射を遮るように施せば効果的に明るく出来ます。




窓の工夫、ふと整理していて見つけた、
過去に製作したCGを載せてみました。


好みで選べるような安易さもなく難しい窓達。
その空間の求める、より最良を求める時にこそ。
考え深める資料として。


仮想空間での実験でした。こういう事を考えると、
いくら時間があっても足りる気がしません。


【BUTSUGWANJI】の記事に模型実験を載せています。
難しい窓は模型を使い、慎重に検証します。


実例は・・・このブログで紹介している住宅にて、
上述したような窓のある室内風景が確認できます。
その効果は?百聞一見に如かず、です。